廃屋で野良猫から産まれた子猫 6番目の子はなつかない猫だった
廃屋に住み着いた野良猫が子猫を次々産んだ。近所の人が個人ボランティアの手を借りて、母猫に不妊手術をし、子猫たちを保護した。その中、6番目に保護された「むーちゃん」は大阪の家族に迎えられた。だが、なかなか人になつかない猫だった。
大阪府内の住宅地にある廃屋に、野良猫が住み着き、出産を繰り返していた。近所に住む人が、野良猫のTNR(不妊して元の場所に戻す活動)や譲渡活動をしている個人ボランティアに相談。2018年6月、生後1カ月ほどの子猫6匹が保護され、母猫もTNRされた。
子猫には、保護された順に「ひいちゃん」「ふーちゃん」「みーちゃん」と名前が付けられ、最後の子猫が「むーちゃん」だった。
怖がりのはずが、抱っこに応じてくれた
大阪府内の吉田さん宅では、2018年7月に愛猫のミケちゃんを15歳で亡くしていた。
2019年3月、末っ子の娘が、「猫が欲しい、猫が欲しい」と言うので、一緒に保護猫の譲渡会に行ってみることにした。吉田さんは実家でも保護猫を飼っていたので、ペットショップで猫を買うということは考えなかったという。
出かけたのは、野良猫の不妊手術を専門に行っている動物病院「ハッピータビークリニック」で開かれた譲渡会。10匹ほどの猫がいたが、前に飼っていた猫もメスだったので、メスで1歳くらいまでの若い猫がいいと思っていた。そこで出会ったのが、むーちゃんだった。
「抱っこもさせてくれない怖がりだと聞いたのですが、『むーちゃん』と呼ぶと、ニャアと鳴いてくれて、抱っこもさせてくれたんです」
一番好きなのは、ご飯をくれるお母さん
2019年4月にトライアルを開始。むーちゃんは吉田さん宅にやって来ると、すぐに食器棚の後ろに隠れてしまった。のぞきこむと、シャーッという。2日間は何も食べず、トイレも丸1日我慢していた。
なかなかなつかず、触らせてもくれないので、2週間だったトライアル期間を延長して1カ月間様子を見ることにした。
むーちゃんは少しずつ家に慣れてはきたが、人には一向に懐かない。吉田さんは柄の長いスプーンにオヤツを入れて、距離を取りながら与えて、少しずつ慣らしていった。
努力を続けたかいあって、「ごはんやで」と呼ぶと、寄って来るようになり、身体をスリスリして甘えるようになった。その頃には、少しだけ触らせてくれるようにもなった。2~3カ月たつと、家族のことも分かってきたようだ。
今では、家族にすっかり懐き、「むーちゃん」と呼ぶと「ニャア」と返事をして、「ご飯」と言うと、走ってやって来るようになった。中でもいつもご飯をくれるお母さんが一番好きなようだ。
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