犬と共に次はどこへ行こうか 山のふもとでの暮らしをかなえた先にあるのは?
常に平地より10℃低い山の暮らし
八ヶ岳に完全移住したのが去年の今頃だから、ちょうど1年ほど経った。5年ほど鎌倉との二拠点生活をしていたおかげかもしれないが、山の暮らしで困ることは何もない。むしろ今年の夏は昨年より暑かったそうだから、移住しておいて良かったとさえ思う。
標高1400メートルの気候は、基本的に平地より10℃低いから、大福は夏でも早朝にたたき起こされることなくのんびり寝ているし、毎日ドッグランで走り回って快適そうだ。
10℃低いということは、冬はマイナス15℃くらいになることもよくあるが、風がないせいかそれほど寒く感じない。それに外はそんな気温でも、今年やっと薪ストーブデビューしたから、家の中はぽかぽかしている。
山のふもとで犬と暮らすのは富士丸と暮らしていた頃からの夢だったから、それをかなえたことになる。ただ、実際に暮らすと草刈りとか薪運びとか肉体労働の連続で、のんびりしている暇などないが、それはそれとして大福は自然に囲まれたところでお気楽に暮らしているので良しとしよう。
予測出来ない自分の行動
ちなみに私事で恐縮だが、よく考えれば富士丸と暮らしていた頃から現在まで5回も引っ越している。渋谷区初台(富士丸と暮らしていた1DKの賃貸マンション)から初台(同じマンションの別の南向きの部屋)、初台(違う賃貸マンションでここで大吉を迎える)、足立区扇大橋(賃貸マンションでここで福助を迎える)、鎌倉市腰越(一軒家)、そして現在暮らす長野県原村というように。
我ながら恐ろしいのは、特に計画していたわけではなく、すべて行き当たりばったりの行動であることだ。私の場合、家で仕事しているから転職とか異動は関係ないのに。ちなみに1999年に上京してから富士丸と暮らした初台にたどり着くまでにも6回引っ越している。おかげでずっと敷金礼金貧乏だった。
28歳から53歳までの25年間でなんと11回である。前半は結婚と離婚などが原因だが、後半は「犬のことを一番に考えて」というのが根底にある。それでも多すぎると思うけど。
住宅ローンを抱えて腰越の一軒家を手に入れたときは、まさか9年間しか住まないとは夢にも思わなかった。自分の行動が予測出来ない。ひょっとしたら数年後には山からどこかへ移住するのかもしれない。
新たな目標
ただ最近、新たな目標が芽生えてきた。山のふもとで犬と暮らすということは達成したが、今度はキャンピングカーで大福とあちこち旅をしてみたいという夢がむくむく膨らんできた。それを実行に移すには超えなければならないハードルがいくつもあるが、一緒に全国を旅出来たらどんなにいいだろう。きっと、彼らはずっと大喜びで、行く先々ではしゃぐだろう。
なぜ普通の旅行ではなくキャンピングカーなのかというと、まだまだ少ない犬OKの宿を探すのが面倒だし、そういう宿に泊まったとしても色々成約があってうっとうしい。
キャンピングカーを手に入れれば、好きなときに大福が喜びそうなところへ行って、何も気にせず自由に動ける。ホテルの豪華な食事なんていらない。海の近くに行ったら地元の魚を食べて、山に行ったら適当にバーベキューでもして、野原を駆け回って遊び疲れて眠る大福の寝顔が見たい。
ベッドも大きくなくていい。むしろ窮屈な方が楽しそうだ。そんな旅がしてみたい、大吉が元気なうちに。最近、そんなことを考えるようになった。
富士丸と見た景色を大福にも見せてやりたい
出来るかどうかは分からないし、何のめども立っていないが、こう見えて私はわりと有言実行タイプなので、やれないことはないだろう。
2009年10月1日の夜帰宅すると、夕方まで元気だった富士丸が息絶えていたという考えられる中で最悪なかたちで富士丸と別れ、重度のペットロスに陥り、何の希望も生きがいも食欲さえもない灰色の世界を生きていた私が、大吉と福助を迎えるとあれよあれよという間に復活し、彼らが原動力になり、2024年には山で暮らしているのだから。
思えば、富士丸ともたくさん旅行したっけ。長野はもちろん、大阪や京都や東北、北海道へも行った。大福が元気でいてくれさえすれば、なんとか出来る気がする。
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