【猫の集会】野良猫はなぜ集まるの? 何してるの? 不思議な夜を過ごす猫たちの秘密
日頃、猫が連れ立って歩いたり、連携して狩りを行っていたりする様子を見ることは少ないでしょう。それぞれ自由な生活を謳歌しているように見える猫たちですが、実は夜になると「集会」が行われているのです。猫は、なぜ「集会」を行うのでしょうか?猫の集会の実態について考えてみましょう。
猫は深夜に集会をする?
「人々が寝静まった夜の町で、猫が密かに集会を行っている」というのは、なんだかミステリアスなシチュエーションです。
実際に猫がこうした集会をするのかというと、決して深夜に限ったことではないものの、夕方から夜にかけて、「町の猫たちが集まる場所」というのは確かにあるようです。
■猫が集会をする理由
猫は縄張りを持つ生き物ですが、1つの餌場を1匹の猫が占有しているわけではありません。
そこで、同じ餌場に暮らす猫たちは、よその猫から縄張りを守るために、お互いのことを知り、つながりを強化しています。猫の集会は、このような「猫同士のコミュニケーション」「連携強化」に役立っているのです。
■猫は集会で何をするのか?
集会に現れる猫は、「そのエリアで暮らしている猫」で、もちろん顔見知り同士ですが、「いい夜ですね!」などと挨拶を交わすわけではありません。多くの場合、数メートルほど距離をとって、じっとその場に座り続けます。
もっとも、親子や兄弟のように、特別仲の良い猫同士というものも存在しています。そういう猫は、集会のときも、寄り添って座ったり、互いに毛づくろいをしあったりすることがあります。
■距離をとるのは猫同士のマナー
一定の距離を保つのは、猫同士の仲が悪いというわけではありません。距離を保つのは猫にとってのマナーでもあります。人間社会でも、ぶしつけに近づいてこられたり、触れられたりしたら、不快に思うことでしょう。猫の集会で見られる猫同士の距離も、「パーソナルスペースに踏み込まないようにしている」ということなのです。
また、集会に参加している猫が、ほかの猫を威嚇したり、おびえたりする様子を見せることはありません。時折、気の弱い猫が隣の猫に唸り声をあげて「もっと離れて!」というアピールをすることはあっても、喧嘩が始まるようなことはないのです。
猫の集会の参加者同士が昼間会ったら?
私たち人間が、面識を持った方に再会したら、お互いに挨拶をしたり、近況を話し合ったりすることでしょう。少なくとも、会釈くらいはしないと「忘れたのかな?」と思われてしまいます。
ところが、猫の場合は、集会で顔を合わせている者同士であっても、昼間は別の顔を見せるのが一般的です。
■なぜ知らぬふりをするのか?
なぜ、面識があるのに知らぬふりをするのか?それは狩りの方法にありました。
猫の狩りは、犬やオオカミのように「獲物を追いかけまわして仕留める」というやり方ではありません。「音もなく忍び寄って、獲物を瞬時に仕留める」のです。ですから、猫にとって「大勢で行動する」ということは、デメリットにしかならないでしょう。個別に行動して、獲物に存在を意識させないことで、猫は狩りの成功率を上げているのです。
一見、相反するように見える「猫の集会」と「昼間のそっけなさ」。これらは、どちらも生きていくために必要な猫の習性なのです。
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