旅のついでにスイスの動物事情をリサーチ 日本との違いあれこれ

 公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。「犬や猫のために出来ること」として、保護犬猫に目を向けよう、とか、ボランティアをしてみましょう、といった提案をしてきました。今回は、少し趣向を変えて、自分の暮らしの中でちょっとだけアンテナを動物寄りにしてみることをご提案させてください。

(末尾に写真特集があります)

 題して「旅のついでに各国の動物事情を探ってみよう!」です。

 この夏、私は子供の都合でスイスに行って参りました。愛犬は日本に待たせての旅行、わが愛犬はすでに14歳。まだまだ元気でご機嫌ですが、繊細なところは小さいころから変わらず。なので、ペットホテルの宿泊は4泊までに決めております。よって3泊5日の弾丸ヨーロッパへの旅でした。その時に、自分で体験したことを書いてみますね。自然や動物を大切にしている国、スイス。ほんの小さなところに、いろいろな違いがありました。

愛犬たち 早朝のカフェにもホテルにも

 私が行ったのは、スイスのイタリア寄りの街、ルガーノです。ルガーノ湖という美しい湖畔にある小さな街は、おとぎ話に舞い込んだかのごとく美しい街でした。時差のため、朝早く街を散歩したのですが、カフェ文化のあるヨーロッパらしく早朝からカフェでモーニングを食べる家族が多くいます。その家族と共にカフェでのひとときを楽しむ愛犬たちがいました。

 抱っこされることもなく「ここがボクの定番だよ」とばかりに、椅子のうしろやテーブルの下にゆったりと構える犬たち。飼い主がオーダーでいなくなっても慌てるわけでもなく、どこか堂々としている風貌。周りの人々も犬が常にいるのが当たり前だからか、特にかまう風でもなく。

法律ではおそらくNGだと思うのですが、ノーリードのワンちゃんは見かけます。ですが、ノーリードだからとはしゃぐわけでもなく落ち着いたワンちゃんばかりでした
法律ではおそらくNGだと思うのですが、ノーリードのワンちゃんは見かけます。ですが、ノーリードだからとはしゃぐわけでもなく落ち着いたワンちゃんばかりでした

 泊まったホテルにも素敵な紳士と犬が入ってきました。ロビーを闊歩するジャックラッセル。「ワタシもホテルゲストよ♪」とばかりにかわいいお尻を振って歩いていました。ちなみに以前スイス在住の方にアニドネは取材をさせていただいたことがあります。

 そのときにスイスは『ペット可ホテル』というカテゴリーはなく、四つ星や五つ星のホテルでもいくらかのプラス料金を支払えば犬連れで宿泊ができるそうです(*アニドネの海外情報レポート:スイス社会犬との付き合い方)。

なぜ白鳥に餌をあげてはいけないのか

 湖畔の街なので、湖と共に人々も生きています。湖には美しい水鳥たちがいました。優雅に泳ぐ白鳥たち。公園だったので、多くの若者や子供たちもいましたが、誰一人白鳥に餌をあげている人がいません。日本だったら、一袋100円、とかで茶色い袋などに入った餌が売っているのに、と思っていたら素敵な看板を発見しました。

 要約すると以下のようなことが書いてあります。「白鳥は水生の草を食べる動物であり人間の食べるパンを与えると腸に支障をきたし身体によくない。彼らは野生動物であり、自分自身で食べるものは見つけられる」

 ここまでちゃんと説明されたら、カバンにはいっていたクッキーやパンなどをあげる気持ちは失せ、餌をあげたがる子供にもしっかりと説明できますよね。日本では公園などに「エサやり禁止!」と手書きの看板などがありますが、このようなアプローチのほうが理解度はずいぶんと高いと感じました。

現地の方はすでに認知があるのでしょうね。観光客向けに伝えているのでしょう。We are friends of swans という書き出しも素敵
現地の方はすでに認知があるのでしょうね。観光客向けに伝えているのでしょう。We are friends of swans という書き出しも素敵

こんなところにも!?「ウンチポスト」

 動物アンテナを立ててなかったら、私も気づかなかったかもしれません。街にあるこれらのものたち。今回、観光地のみでなく現地の方の居住エリアにも伺ったのですが、素敵な建物が並ぶ街中にもよく見かけた「ウンチポスト」。場所によってデザインはいろいろとあるようで同じものは二つと見ませんでした。こちらは犬税で賄われているようです。そして、袋を見るとウンチがもやされエネルギーになるとのこと。なんとエコなシステム。

 今回、私が滞在した場所では、おしっこのマーキングのあとは少し見ましたが(日本よりは少ないと感じました)放置ウンチは見なかった気がします。現地の方に聞くと、放置ウンチはたまにありますけどね、と苦笑いはされてました。

これは山の上に設置されているウンチポスト。こんなところもにも!?と思いました
これは山の上に設置されているウンチポスト。こんなところもにも!?と思いました

袋にはエネルギーになることが書かれています。ちゃんと拾って捨てよう!と思わせます
袋にはエネルギーになることが書かれています。ちゃんと拾って捨てよう!と思わせます

 そして税を使っての行政の取り組みでさすがだな、と思ったのが、ごみ回収車と公園剪定隊。動物に優しいということは、動物が暮らす自然に優しくして動物が暮らす環境を守らねばならない、ということだと思います。野鳥がちゃんと暮らせるよう湖を美しく保ったり、公園の木や草花を美しく保ち街をきれいにする。そしてそれに従事する方が誇りや自信をもって働ける、というのが素敵だなと思いました。

保護施設や動物園にも行ってみよう

 今回、ルガーノがあるティチーノ州では最も大きな動物の保護施設にも行ってきました。これはアニマル・ドネーション代表としてアポをとっていったのでお仕事です(こちらの詳細はアニマル・ドネーション海外情報レポートとして記事にする予定です)。

 しかし仕事でなくても、国によって保護施設は一般の方に開放しているところもあります。ぜひ行ってみてください。動物園も行ってみるといいと思います。日本とどのように展示が違うのか、動物に配慮しているのかいないのかを感じてきてください。感じたこと、得た情報などはご自身のSNSで発信するのもよいですし、アニドネへ情報提供くださってもうれしく思います。

 私が取材した動物保護施設の方の言葉で一番印象的だったのが「スイスは動物のメンタルを一番に考える」というフレーズ。サイコロジカルに動物に接するために人間側が動物をちゃんと理解せねばならない、と強くおっしゃっていました。まさにその考えが、一般の方にも街にも反映されている国でした。私が見聞きしたのはスイスのほんの一部です。世界は広し、いろいろな国がどう動物に接しているかを感じると日本のヒントになると思います。

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西平衣里
(株)リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊メンバー、クリエイティブディレクターとして携わる。14年の勤務後、ヘアサロン経営を経て、アニマル・ドネーションを設立。寄付サイト運営を自身の生きた証としての社会貢献と位置づけ、日本が動物にとって真に優しい国になるよう活動中。「犬と」ワタシの生活がもっと楽しくなるセレクトショップ「INUTO」プロデユーサー。アニマル・ドネーション:http://www.animaldonation.org。INUTO:http://inuto.jp

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この特集について
犬や猫のために出来ること
動物福祉の団体を支援する寄付サイト「アニマル・ドネーション」の代表・西平衣里さんが、犬や猫の保護活動について紹介します。
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