財産を犬猫のために遺しミライを変えよう アニドネレガシーギフト、初の遺贈イベント
「公益社団法人アニマル・ドネーション」(アニドネ)代表理事の西平衣里です。私たちアニドネは、自身の財産を「遺贈」というカタチで犬猫のために寄付できる仕組みを作って活動をしています。「人生を豊かにしてくれた犬猫に対して遺贈というギフトを遺す」ことを当たり前の文化にしたい、と本気で思っています。
今回、遺贈を申し込まれたご夫婦にお話しをお伺いする機会を得ました。とても深い犬猫愛にアニドネスタッフ一同感動の一日となりました。
犬と暮らすために、住む場所も職業も選んできた
Oさん夫婦は、現在東京都でトリミングサロンや犬のしつけ教室、ワンちゃんの保育園、お散歩代行サービスなどを行うお店を経営されています。見るからに優しそうなご夫婦。ご主人はトリマーさんでありドッグトレーナーさんです。
実は、もともとはまったく犬とは関係のないご職業で大阪に暮らされていたそうですが、結婚してしばらく経ったとき、「犬と暮らしたいから引っ越したい」という奥様の一言で、犬にとって環境のよい長野県に引っ越しを決断されたそう。コッカ―スパニエルを迎え犬との暮らしを満喫する中、「犬にかかわる仕事をしたい、そのためには東京で学びたい」と仕事を変え現在の環境にいきついたそう。
まさに、「犬と幸せに暮らす」ために、ワンコファーストで生きてきた素敵なご夫婦なのです。
アニドネとのご縁は募金箱
そんなOさんとアニドネとのご縁に始まりは、お店に募金箱を設置いただいたことでした。設置から数年経ち、奥様から今度は、「犬猫への遺贈をしたいから遺言を書きたい」とお話をいただきました。アニドネから司法書士をご紹介し、3年ほどかけて遺言を作成してくださいました。
お子さんがおられないOご夫婦。ご自身たちが旅立ったあとは、信頼できる活動支援のために財産を遣ってほしい、というご遺志をアニドネに託してくださいました。
初のレガシーイベント、これほど心が温まるとは!
これまでOご夫婦とアニドネスタッフの連絡はメールのやり取りだったため、お会いするのは初めて! まだ残暑厳しい中、会場のアニドネオフィスに来ていただきました。他の参加者さんの予定が急きょ変わり、O夫妻のみとなり申し訳ない気持ちもありつつ、Oさんの素敵な人生と犬猫への想(おも)いをたっぷり聞くことができ、アニドネスタッフはいたく感動。
もちろんアニドネスタッフも犬猫が大好きで、この日本の状況を変えたくて活動をしていますから、想いの強さは負けない気概がありますが、ご夫婦の自然体でありながらどこまでも深い犬猫愛に私たち自身も包まれ、笑いの絶えない(時に感動で涙も!)1時間のイベントとなりました。
日本では遺言を作成するのはたった1.2%
日本公証人連合会が発表した「令和4年の遺言公正証書作成件数について 」によると、公正証書遺言は約11万2000件、自筆証書遺言は法務省「遺言書保管制度の利用状況*2023年7月」によると約5万7000件、これに自宅等で保管してあった遺言書の検知数約2万件(最高裁判所「司法統計年報」/令和4年)を足すと、1年間で約18万9000件の遺言が書かれている計算になります。(※)
※出典:日本財団、法務省、公益財団法人生命保険文化センターなど
一方日本で一年間に亡くなる人の数は令和4年で156万人。つまり約、12%の人しか遺言を書いてないのです。10人に9人が自分の財産に意思を遺さず人生を終えていることになるのです。
健康で長生きをし(できれば犬猫と共に余生を楽しみ)、遺した財産を人生を豊かにしてくれた犬猫のミライのために活かそう――。
これが、アニドネが提唱するアニドネレガシー活動です。誰しも、人生を終えるときは一度だけ。そのときにもちろんお子さんやお身内に遺し、そしてモフモフの家族はすでにお空にいるかもしれませんが、犬猫のミライのために自分のキモチをつないでほしいとアニドネは考えています。遺贈というとお金持ちだけの心配事?と思いがちですが、金額はいくらでも大丈夫。決して恵まれているとは言えない日本の犬猫の状況をよくするために、犬猫への感謝をこめて遺贈を考えてほしいと思っています。
具体的な使途を指定できる
遺言を決めてくださった方には必ず「遺贈を何に使ってほしいですか?」とお聞きしています。「大型犬と暮らしてきたから犬のために使ってほしい」、「野良猫の保護活動に」、「その時に困っていることに」など、みなさま自身の犬猫への想いを重ね希望をくださいます。私達アニドネは認定団体の活動を日々サポートしています。遺贈はいつ執行されるかわからないものですが、アニドネだったらその時に一番有効に想いを活かせると思っています。
私自身も遺言を検討しています。中学生の息子には残さず(自らの道はたくましく切り開いてほしい)、犬猫のために遺したいと思います。自分の生きた証として、少しでも犬猫の状況が変えられるならこれほど幸せなことはない、と感じています。
(次回は11月5日公開予定です)
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