メスの犬や猫がかかりやすい病気 避妊手術で防げることも、獣医師とよく相談を

手術をする獣医師
避妊手術でメスに多い病気を防げることもある

 病気やトラブルから犬や猫を守るため、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい知識を、シリウス犬猫病院の院長、石村拓也獣医師が教えてくれます。連載4回目はメスの病気についてです。

メス特有の病気には命に関わるものも

 犬猫も性別により、かかりやすい病気は異なります。メス特有の病気の中には、命に関わるような重い病気も多くあります。今回は、メスで注意したい病気についてご紹介します。

子宮蓄膿症

 子宮蓄膿症(ちくのうしょう)とは、子宮内に細菌感染が起こり子宮にうみがたまってしまう病気です。避妊手術をしていないわりと高齢のメスで多く見られますが、若齢での発生もあるので注意が必要です。

 卵巣から分泌される性ホルモンが、長期間子宮へ作用することで子宮が細菌感染を起こしやすくなると言われています。治療が遅れると死に至る可能性もある怖い病気です。

乳腺腫瘍

 乳腺腫瘍(しゅよう)は中年から高齢の、避妊手術を受けていないメスの犬猫によく見られる腫瘍です。乳首周変にしこりを作ります。

 犬では良性と悪性の割合が50:50、猫では70~90%が悪性と言われています。悪性のものでは腫瘍が巨大化・多発したり、肺やリンパ節への転移が見られたりするようになり、経過がよくないことも多いです。

 乳腺腫瘍は性ホルモンと強い関連があるとされており、早期の避妊手術は乳腺腫瘍の予防にもつながることがわかっています。

犬の乳腺腫瘍

メス特有の病気を予防するには?

 このようにメス特有の病気は、ときに命の危険を伴うこともあります。そういった危険度の高い病気を予防できることから、動物病院では早期の避妊手術をおすすめするケースが多いです。

 もちろん、避妊手術にもデメリットは存在します。

 ただ、避妊手術によって防げるはずであったメス特有の病気になってしまい、動物や飼い主様が苦しむのは避けたいと思うのがすべての獣医師の願いです。

 ぜひかかりつけの獣医師と相談し、正しい知識を持って避妊手術の“する・しない”の選択をしていただければいいなと思います。

(次回は3月24日に掲載予定です)

シリウス犬猫病院
神奈川県川崎市中原区木月2丁目10−6
044-789-9030
*予約優先制、詳細はホームページから

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石村拓也
獣医師。東京農工大学農学部獣医学科卒業。横浜市内の動物病院などを経て、2017年3月にシリウス犬猫病院開院。川崎市獣医師会、日本獣医皮膚科学会、耳研究会、日本獣医輸血研究会所属。

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