マル10歳の誕生日 壮絶な過去を生き抜いた愛犬を思い、動物愛護活動にまい進する

眠たそうなマル。ブリーダーから保護された過去を持つ

 7月7日は愛犬「マル」の誕生日でした。10歳になりました。

 マルは繁殖引退犬で、いわゆるブリーダー崩壊により、「Wonderful Dogs」さんに保護され、「ミニピンなら山田さんよね!」との浅田美代子さんの推薦により、先住犬を連れて“お見合い”に行ったのが4年前。コロナ禍のことでした。

心が締めつけられる出来事

 前文の数行を書いただけでもいろいろな思いがよぎります。つい先日、ブリーダーの男性が繁殖引退犬を3匹、窒息死させたという痛ましいニュースがありました。それがブリーダーの常識とでも言わんばかりの男性は、これまでにも同じことをしていたのではないかと……。心が締めつけられました。

 “コロナ禍”といえば、まぁ、我が家もそうなのですが、ステイホームをきっかけにワンコやニャンコを飼い始める家庭が増えたことも思い出されます。でも比較的早く、「飼いきれない」と手放す方たちのニュースを頻繁に目にすることとなりました。

 どういうわけか、コロナ禍には生体を販売するペットショップが立て続けにニューオープンしたものです。私がよく訪れる某商店街は、それほど長くはない一本道に4軒ものペットショップができていました。そして我が家の近所にも新たに……。実はつい先日、その店はなくなったのですが理由はわかりません。売れ残ったワンコはどこへ行ってしまったのやら……。その中には極小のミニピンもいたはずです……。あの子はどうしているだろうと思うと、また心をもっていかれました。

坂上忍さんご夫妻からいただいたブランケットが大好きなマル

 マルもまた、保護するまでの間、おそらく壮絶な体験をしていたと思われます。狭く傾斜しているケージで6年間過ごしていたせいで、足の指が異常に開いていて、右の後ろ足の筋肉が素人目に見ても少なかった。彼女が来てから、ワンコやニャンコに関する痛ましいニュースを目にするときには必ず、「良かったね。Wonderful Dogs代表の岩渕友紀さんには本当に感謝しなければいけないね」と改めて言って聞かせています。

 保護犬でも、繁殖引退犬の場合は、ほぼ正確な年齢がわかるものです。マルが保護されたとき、「たぶん6歳です」と岩渕さんが教えてくださり、正式譲渡日に近い日にちで、いちばん覚えやすい「七夕」の日を誕生日に決めました。

マルを否定されているようで…

 実は先日、浅田美代子さんと電話でお話する機会がありました。動物愛護や保護に関して、仲間と意見が合わず、もんもんとしながら長文のLINEを美代子さんに送ったところ、「直接、話したほうがいいと思ったから」と電話をいただいたのです。

 ざっくり記させていただくと、とある会合で、劣悪な環境に置かれた繁殖犬や繁殖引退犬を保護する活動についてメンバーから否定的な意見があり、「え?どうして?」と思いつつ、その場の空気もあってまったく話し合いが行われないまま、否定派の意見が尊重された結論が出てしまったのです。

 え? じゃあブリーダー崩壊で行き場を失ったワンコやニャンコたちはどこに行けばいいの? と思ったのと同時に、この4年間のマルとの生活まで否定されたような気持ちになって、思いのたけを美代子さんにLINEしてしまったのです。

マルの誕生日は、ささやかな犬用ケーキでお祝い

 美代子さんは「そうなのよ、いろいろな意見があるの。でも、みんな動物のことを考えていることには違いがないのよね。マルちゃんは美保子さんの家に来て本当に幸せだったと思うし、それをつないでくれた岩渕さんのこと、私は応援しているのよ。若いのに本当にしっかりしているから」と……。長年、動物愛護や保護活動をしている美代子さんの言葉は本当に力強くて説得力がありました。

「もっともっと大切にしよう」

 正直、すべてがスッキリしたワケではありませんが、同時に「私はまだまだだ」と猛省。自分にできることは何だろうと思ったとき、まずは目の前にいてくれる、我慢強くて優しくて、「ハンター」が虹の橋を渡っていってからは、ハンターの分も私をサポートしようとしてくれているマルを、もっともっと大切にしようと心に決めました。

 誕生日の10日ほど前には「アニコム」さんからバースデーカードが届き(夫が間違えて平仮名で登録してしまいました)、当日は小さなケーキでお祝いしました。

アニコムからのバースデーカードとマル

「ピン」やハンターほどではありませんが、最近マルは表情が豊かになったように感じます。

 それに、以前はハンターがしてくれていた、玄関でのお出迎えや、私が仕事場で原稿を書いていると100%、傍らに居てくれること。そして就寝の際には、私の足にピッタリ体をつけて寝てくれることなど、やることなすこと、ハンターにそっくりになってきました。

 そして来月は、「ココ」が18歳の誕生日を迎えます。ココは沖縄の『ハウスドッグ』さんから来たので間違いなく、この年齢です。そして再来月には「動物愛護週間」があります。立ち止まってはいられません。ココちゃん、マルちゃん、サポート、よろしくね!

(次回は8月13日公開予定です)

【前の回】愛犬「ハンター」が旅立って半年 後悔や寂しさ、会いたい気持ち…心は揺れ続けた

山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。『踊る!さんま御殿!!』の構成や、『サンデージャポン』『ドデスカ!+』などのコメンテーターを務める。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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この連載について
山田美保子の育犬日記
人気放送作家の山田美保子さんが愛犬たちとの日々をつづるブログ。ペット愛好家セレブの御用達グッズなど、芸能界の話題も。
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