冬に増える犬や猫の感電事故 暖房器具に要注意!電気コードも危ない

ペットの感電事故
暖房器具に注意を

 病気やトラブルから犬や猫を守るため、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい知識を、シリウス犬猫病院の院長、石村拓也獣医師が教えてくれます。連載22回目は「冬に要注意な感電事故」についてです。

冬に感電事故が増える

 どの家庭にも電気コードなど、感電事故の原因となるものがあるかと思いますが、こたつやヒーターなどの暖房器具を使う機会が増える冬は要注意! 実は冬は感電事故が増加する季節なんです。電気が流れているコードをかじってしまうと、大量の電気がペットの体に流れて感電する可能性があります。

 特に、子犬・子猫のように好奇心旺盛な遊び盛りの時期だと、電化製品のコードはとても魅惑的にみえるようです。お留守番中にいたずらしたり、電気コードをかみちぎったりして感電することがあるので注意が必要です。

感電するとどんな症状になる?

 感電を引き起こすと、体に電気が流れることによって様々な障害を引き起こします。

 局所的なやけど(口腔内など)を生じたり、微細な血管が電流により傷害を受け、肺水腫(※肺胞に水がたまった状態)を引き起こすことも。その他にも筋肉の硬直やけいれん、ショックや心不全を起こすこともあります。

ペットの感電事故
好奇心旺盛な遊び盛り期はもっとも危険

感電しないように対処する 

 もし愛犬が感電してしまった場合でも慌てないでください。感電した犬に触ってしまうと飼い主さんも感電してしまうことがあります。まずは慌てず、コードを確認し、電源を切りましょう。感電してしまった場合でもそうなる前でも、すべてのことはまず「電源を切ってから」です。

 また、感電のショックで愛犬が失禁してしまう可能性もあります。水は電気を通すため、失禁している場合でも、電源を切るまでは尿にも触らないようにしてください。

 何も異常がないように見えても、後から症状があらわれる場合があります。

 どんな状態であっても、早めに動物病院を受診しましょう。

日頃から予防を

 感電事故はこたつなどの暖房器具を使う冬に多いと言われていますが、季節に関係なく、いつでも起きる可能性があります。

 コードやコンセントにカバーを付けたり、お留守番の際にはケージに入れるなど、事故を未然に防ぐよう日頃から気をつけましょう。

ペットの感電事故
季節に関係なく感電事故は起きる。日頃から注意を

まとめ 

 事故は起きないように対策するのがいちばんです。日頃から電気コードやコンセントには注意しておきましょう。

 何でもかんでしまう子犬がいるご家庭では、家族全体で感電事故を起こさないように意識する必要があります。愛犬・愛猫が安心して暮らせるような環境作りを常に心がけるようにしましょう。

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石村拓也
獣医師。東京農工大学農学部獣医学科卒業。横浜市内の動物病院などを経て、2017年3月にシリウス犬猫病院開院。川崎市獣医師会、日本獣医皮膚科学会、耳研究会、日本獣医輸血研究会所属。

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この連載について
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病気やトラブルから犬や猫を守るため、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい知識を、シリウス犬猫病院院長の石村拓也獣医師が教えてくれます。
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