愛猫たちの“マイブーム” 年を取るほど、飽きるのが早くなる切なさと葛藤
狭い我が家に猫が2匹もいると、猫だけの世界において、その時々の“流行”が生まれることも多々あります。
捨てるはずの段ボールにハマって……
つい最近、猫らの間で流行っていたのは、家電を保護していた段ボールに身をひそめることでした。
家電とは、丸みを帯びたサーキュレーター(扇風機のようなもの)。寒い空気を逃すために新調したものでした。そのサーキュレーターの丸っぽい部分を守るためについていた、段ボールの形がちょっと変わっていて(写真参照)、猫がすぽっとハマるのにちょうどいいサイズだったです。
はじめにそこにハマり始めたのは、ビビりのキジトラ猫・モモでした。捨てようと思って箱から出したところ、モモがハマり始めたのがかわいくて、捨てずにしばらく遊ばせることにしました。
モモは“ちょうど”の場所にハマるのが大好きな猫。以前、黒いテープで四角く囲った“猫ホイホイ”を作ったときも、一目散にハマりに来てくれた過去もあります。
そもそも、我が家に初めて来た子猫の頃も、最初は夫のギターアンプの後ろのくぼみにハマっていたり、テレビの後ろと壁の間の狭いスペースに入り込んだりしていたものでした。
クローゼットや食器棚の中など、狭いけど猫がぎゅうぎゅうに入れる場所が好きな猫って、結構いますよね。落ち着くんでしょうね。
捨てられない……いや、捨てていい!?
しかし、元気なサビ猫・あんずの場合は、猫ホイホイには興味を示さなかったし、狭い場所をそれほど好みません。
とはいえ段ボールは好きなので、いずれあんずもハマるようになりました。モモの場合は、私が気づいて写真を撮ろうとすると、サッと逃げてしまうのですが(なんで?)、あんずはしばらく居座ってくれました。
はじめ、モモはその段ボールにハマって「落ち着くわ~」といった状態でしたが、あんずがハマり始めてからは、2匹で小競り合いをするときに使うようになりました。どちらかが猫パンチなどの攻撃側に回ると、どちらかが段ボールに身をひそめて防御。というのを繰り返していました。
これは捨てられないなぁ……まぁ、猫らが遊んでくれているし、いいことだ、など思っていると、ほんの数日で流行が去っていました。
あんなに流行していた段ボールは、2匹の視界から消えたのか?というほど影の薄い存在になってしまったのです。
流行が去るのが早くて寂しい……
以前までは、2匹の間で遊びやモノの流行は、長期間続くことが多かったのです。猫が遊び始めたおかげで、捨てられなくなったものが我が家にはいくつもあり、 “猫にちょうどいいサイズ”の段ボールをはじめ、ボロボロのタオル、梱包材、ファブリックの椅子など、捨てようと思った時期から何年も、猫のためだけに存在していたこともありました。
今回も、段ボールを捨てたいと思っていたくせに、なんだか流行が去るのが早すぎることが寂しくて、猫らの前にわざわざ段ボールを設置したりしましたが、無視されました……。
このまま諦めてなるものか!と、猫用のレーザーポインターのおもちゃを段ボールに当ててみると、ついにあんずが興奮し始めたのです!
段ボールにレーザーポインターが当たると、ジャンプしたり、ダッシュしてまた戻ったり。
わー!これは嬉しい!!レーザーポインター+段ボールの合わせ技が功を奏して、再度段ボールが脚光を浴びた瞬間でした。
しかし、その時間はあっという間。2~3分であんずは“スン……”と冷静になっていて、遊びは終わっていました。
ちょっと流行の期間が今までより短いけど、もう捨てていいってことなのかな……。寂しいな……という葛藤のなか、なかなか捨てられずにおります。
この段ボールは優秀で、猫が興味を失っても、2歳の子どもがブロックを積んで遊ぶなど、さまざまな役目を果たしています(家電を守っていた時点で役目は終わっているのですが……)。
我が家の猫らが高齢のせいでしょうか。「流行に乗る」のって、若者限定だったりしますけど、猫にとってもそうなのかもしれないと感じる出来事でした。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。