道路をフラフラ歩いていた子猫 保護・譲渡されオシャレな名前に

 親猫とはぐれたのか、幹線道路沿いを子猫がフラフラと歩いている。車を止めるのも難しい、そんな場所で子猫は拾われた。

(末尾に写真特集があります)

 大阪府堺市、海の近くにある浜寺。幹線道路沿いの歩道を子猫が1匹で歩いていた。ガリガリにやせて、フラフラとさまよっているようだったという。推定4ヶ月のオスだった。幸い、偶然その姿を見かけた人が保護してくれたのだという。

 保護された子猫は、保護団体「ワンハート大阪」に託された。元気に成長し、3歳になった時、譲渡希望者が現れた。

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怪我した地域猫を保護したが……

 大阪府に住む平松さんは、ずっと家で犬を飼っていた。その一方、庭にやって来る野良猫の不妊手術を私費でするなど、個人でTNR活動もしていた。

 ある時、メルちゃんと名付けていた地域猫が大怪我をして、庭に帰ってきた。窓越しに“助けてくれ”というようにこちらを見ていた。病院に連れて行くと、怪我のほか、猫エイズに感染していることも分かったという。そのまま家の中で飼おうとしたが、外に行きたいのか、ずっと鳴き続けた。仕方なく、外に出すと、嬉しそうに出ていったそうだ。だが、その4カ月後、メルちゃんは亡くなったという。

「猫を飼ったことはなかったんですが、この事件以来、ずっと可愛そうなことをしたと気になって。それで保護猫を飼うことにしたんです」

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フランス語の名前

 平松さんは2015年8月、ワンハート大阪のブログを見て、気に入った猫を家に連れてきてもらった。

 平松さんは、その白い猫に、フランス語で「白」という意味の「ブラン」と名付けた。手作りの段ボールハウスやキャットタワー、ベッドなど、必要なものはすべて用意して迎えたという。首輪につける名前や電話番号の入ったチャームも準備した。

「初めての猫なので心配しましたが、ブランは、段ボールハウスが気に入ったようで、すぐにこもって眠りました。ご飯も食べてくれてほっとしました」

 ブランは7人の大家族に囲まれて元気に育った。その後、後輩猫もやって来た。ブランはなんでも自分が一番でないと気が済まない性格で、家族が後輩をかまっていると、嫉妬するという。それでも猫同士はつかず離れずうまくやっている。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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