窓をたたいて合図し網戸によじ登る とーさん、家の敷地に現れた子猫のアピールに…
月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット作をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元保護猫の「とも」「もえ」と暮らしています。
ついつい情が…
前回からの続きです。とーさんの家のベランダに現れるようになったハクビシンのように白い鼻筋のハイライトが凛々しい子猫ちゃんは、我が家の外にいるにもかかわらず、まるで家の中に住んでいるかのような振る舞いを見せるようになりました。
ごはんの時間には器の前できちんと座って待っているし、食後は窓辺で毛づくろい。ときには我が家のとも&もえと窓越しではあるけれど、並んでぽかぽか日光浴も楽しみます。
しかも、僕の姿をみつけると、窓をコンコンと手でたたいて合図してくるではないですか。これっておやつの催促でしょうか……。ためしにちゅーるをあげてみると、ためらいもなくペロペロ。指につけてあげてみると指からもペロペロ。子猫の下のザラザラがたまらない……ううっ。
こうなっちゃうと、ついつい情が……。いけない。情をうつさないために、たとえ仮称でも名前はつけないようにぐっとがまんしていました(このときまでは)。
さらなるアピール
ほかに何匹か時折姿を見せる猫ちゃんたちはいましたが、このハクビシンちゃんだけは、ずっと、たぶん24時間近くうちのベランダないしその周辺にいるようでした。ふと外を見るといつもこっちを見ているのです。ふりむけばやつがいる……。
そのうち、ハクビシンちゃんは窓をコンコンと叩くだけでは自分の思いは伝わらないと思ったのか?大胆にも網戸によじ登って「いれてーーー!いれろーーー!!」とやるようになってきました。
これまで何匹かベランダにやってくる猫たちにご飯をあげて保護してきましたが、ここまで積極的な子ははじめてです。そういえば、我が家のともは、僕が仕事から帰ってくる時間をみはからって、玄関前の植え込みに潜んでじーーーっとこっちを見ていることはありました。が、ここまで我が身を危険にさらすようにアピールするなんて……。
保護を決行
もう、こうなったら迷っている暇はありません。意を決してベランダに捕獲機をセット(している間も捕獲機の前でじーーと待ってました)。そして必殺のいなば焼きかつおをそっと置いてあげると、すぐに捕獲機の奥までためらいもなく入ったのです。
ガシャン。
捕獲完了までたぶん5秒……ごめんね。ああ、何度やってもこの瞬間は信頼を裏切った気持ちになってつらいなあ。でもちゃんと新しい飼い主さんを探して幸せにするからね。
心で何度も謝りながら、動物病院に直行したのでした。
長いですがまだまだ続きます。
(次回は5月18日公開予定です)
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