犬のふんで分かる病気のサイン がん、ウイルス感染…

(写真は本文と関係ありません)
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  • :犬の散歩で糞(ふん)を拾うのはマナーであると同時に、健康管理の面からも重要だと聞きました。どういう意味ですか?
    : 糞からは、犬の健康に関してかなりの情報が得られます。尿に比べて一般の飼い主さんでも観察しやすいのが特徴です。量や硬さ、色などから様々なことがわかります。ですから、散歩で犬が糞をした際には、状態をよく確認しながら拾うといいでしょう。
  • :具体的にはどのように見ればいいでしょうか。
    : 一般の飼い主さんが異常に気付くのは、下痢便になった時だと思います。下痢にもいろいろあり、少し軟らかい程度のものから、水様便というほとんど液体のようになっているものまであります。

     いずれの場合も一時的で元気や食欲があれば問題ありません。食事内容の変化や引っ越しなどのストレスが原因で、一過性の下痢になるのはよくあることです。でも何日も続いたり血が混じったりするようであれば、早めに動物病院に行ったほうがいいでしょう。
  • :どんな病気が考えられますか。
    : 排便の回数が増え、かつ血が混じるようであれば腸に異常があることが考えられます。黒っぽい血であれば消化管の上部、赤っぽい血であれば消化管の下部に異常があると見られます。一般的には炎症などによるものが多いのですが、場合によっては腫瘍(しゅよう)の可能性を考えたほうがいいでしょう。動物病院で検査し、状態次第で手術の必要も出てきます。

     また飼育環境によっては鉤虫(こうちゅう)(十二指腸虫)などの消化管寄生虫に感染している可能性もあります。寄生されると慢性的な貧血や体重減少も起こります。

     血便でもう一つ怖いのは、ウイルス感染の可能性です。たとえばパルボウイルスに感染すると、一般的に血が混じった水様性の下痢便をします。ほかの犬にうつりますので、慎重な対応が求められます。なおパルボ感染症は、毎年のワクチン接種で防げる病気です。

     子犬や子猫の下痢はすぐに命にかかわる場合があります。給水と保温に努め、早急に原因を特定する必要があります。
  • :便秘もありますか?
    : 犬はあまり便秘になりませんが、もし極端に便が硬かったり回数が少なかったりするのなら、まずフードの種類を検討しましょう。時には外傷などによる異常の可能性もあります。かかりつけの獣医師に相談してみてください。

(倉吉動物医療センター会長)

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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