猫の口内炎、完治は困難 原因となる疾患をつかみ、適切な対症療法で痛みをやわらげて

:10カ月ほど前に高齢の野良猫を保護したのですが、口内炎がひどいです。動物病院で免疫不全によるものと診断され、薬を処方されましたが、保護時より状態が悪くなっています。(宮城県・女性)

:対症療法が基本、口まわりを清潔に

 猫には、ウイルス感染により、最終的に免疫不全に陥る疾患がいくつかあります。特に、猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスに感染することで免疫不全を引き起こすと、口内炎を発症します。ほかに猫カリシウイルス感染症や胃腸炎、腎不全、糖尿病も口内炎の原因になります。

 まずは動物病院でもう少し詳しく検査をし、口内炎の原因となる疾患をつかむことが、適切な対処につながります。診断名をしっかり出してもらいましょう。

 猫が口内炎になると、口の中が痛くて、毛づくろいができなくなります。このため毛づやが悪くなり、毛玉ができることもあります。悪化すると、前脚がさわる痛みで顔も洗えなくなるため、顔のまわりがよだれなどで汚れ、口臭もきつくなります。ご相談の猫は、保護する前から長く口内炎を患っていたようで、かわいそうです。

 完治は難しく、基本的に、薬によって痛みをやわらげてあげる対症療法を行うことになります。主に、抗生物質やステロイド剤の投与が考えられます。これで、症状が大きく改善されることがあります。

 飼い主さんにできることも、たくさんあります。日常的に口の中を消毒してあげたり、口のまわりを拭いてきれいにしてあげたり、フードをやわらかくして食べやすくしてあげたり、こまめにブラッシングしてあげたり――。猫が少しでも良い状態を保てるよう、頑張ってみてください。

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山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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