猫のけいれん発作につながる病気、なかには死に至るものも きちんと検査を

:3年前にオスの子猫を拾ってきました。推定2歳になったころから、月1回のペースでけいれん発作を起こすようになりました。かわいそうでなりません。なにが原因でしょうか?(広島県・女性)

:様々な病気の可能性、きちんと検査を

 けいれん発作につながる病気はいくつもあり、代表的なものだけでも10以上あげられます。拾ってきたオスの猫で、定期的に発作が起きるという症状から考えてみます。

 まず可能性があるのは、クリプトコッカス症でしょう。真菌(かび)を吸い込むなどして感染する病気で、くしゃみや鼻水、いびきが典型的な症状です。中枢神経にまで感染が進んだ場合、けいれんなどが起きるようになります。

 採取した鼻水などを検査して、診断します。治療としては、抗真菌剤を与えるのが一般的です。

 猫伝染性腹膜炎(FIP)も考えられます。猫コロナウイルスの感染によっておこる病気で、腹膜に炎症が起き、腹水がたまるなどします。初期症状としては、食欲がなくなって体重が落ちたり、元気がなくなったり、熱が出たりします。進行して脳にまで炎症がひろがってしまうと、けいれんなどの神経症状が見られるようになります。

 血液検査で白血球の増加が見られた場合、この病気の可能性が高いです。発症すると、残念ながら治療法はなく、死に至ります。抗生物質や抗炎症剤による対症療法を行うことになります。

 ほかにも脳腫瘍(しゅよう)や腎臓病などが、けいれんの原因になります。毎月のように発作が起きるのは、猫がかわいそうです。ぜひ、しっかり検査をして原因を突き止め、治療の道を探してあげてください。

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山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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