24歳の美人猫が穏やかに暮らす老舗カフェ
江戸時代の基幹五街道のひとつ、甲州街道。現在でも昼夜を問わず多くの車が行き交い騒然とした気配です。ところが、そんな甲州街道沿いにありながら、カフェサロン「カフェ・カモシタ」の店内は驚くほど静謐(せいひつ)で、優しい時間が流れています。
奥にはライブスペースがあり、密かに世界的なアーティストによるライブやお喋り会がおこなわれている、じつは知る人ぞ知るお店です。そんなカフェ・カモシタの看板猫が、ちゃまこちゃん(24歳♀)。
「人間なら100歳ぐらい?もっと?その割にはしっかりとした目をしているでしょ」と、ちゃまこちゃんを撫でながら微笑むオーナーの鴨下勝江さん。確かにしっかりしています。多少足元がおぼつかない場面もあるものの、イスの上にもピアノの上にも自力でヒョイと飛び乗るのです。
「以前一度だけ鴨居から落ちて骨折したんだけど、病院にかかったのはそれ一度きり。健康と長生きの秘訣?特には思いつかないなぁ。とにかくカワイイカワイイ言って育てましたけど(笑)」
出会いは24年前。以前いた猫・ちゃちゃ丸が行方不明になり、あちこちに張り紙をして探していたある日、店の前にちゃまこちゃんが捨てられていたそうです。「箱の中に哺乳瓶と、てのひらに乗るぐらい小さなちゃまこが入っていたんです。おそらく『こんなに熱心に猫を探している人たちなら引き取ってくれるだろう』ということだったと思います。その行為の是非はありますが、私たち家族は贈り物だと感じました。そして受け入れたんです」。
好物はおかかと煮干し。「それが残ると、私がご飯にかけて食べちゃうの(笑)。猫は大好物でもお腹いっぱいになったらやめる。それが素敵なところだと思う」。
40年の歴史を持つカフェ・カモシタ。「いいことも辛いこともあった。けど、苦労もいいものよ、それだけ経験があるということなのだから」。たっぷりの愛情と楽しいお喋り、ちゃまこちゃんの健康の秘密は、カフェ・カモシタの優しく穏やかな雰囲気にあるのだろうと感じました。
(取材・菅野治)
カフェ・カモシタ
●東京都府中市本宿町2-12-11
●TEL042-361-2637
●営業時間/11:30~15:00、18:00~23:00
●定休日/木曜
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