猫はバイオリンが苦手でウクレレは好き? 猫が気になる“音”といえば…
猫の聴力は、犬よりもさらに優れていて、人間の3倍よく聞こえるそうです。我が家の猫らを見ていると、確かに音にはものすごく敏感。猫が気にする音について考えてみました。
猫は下手な演奏が嫌い?
先日夫が、寂しそうにこう訴えました。
「家でバイオリンを弾き始めると、猫たちが逃げちゃうんだよ。きっと下手だからだな……」
確かに夫のバイオリンは、初心者相応に耳心地が良いとはいえないギーギーした音を奏でています。練習用の音量小さめのバイオリンではありますが……。
一方、ギターにはそれなりの自信をもっている夫。猫らは夫がギターを弾き始めても逃げずに寝ていたり、夫のそばでくつろいだり、逃げたり嫌がったりすることはなく、むしろ心地よさげにしている様子。それは、“上手さ”だけが関係しているのか……?
私はそうとも言い切れないのではないかと思うんです。なぜなら、以前私がウクレレを習い始めた頃、家で練習していても、逃げずにそばにいてくれたんです。
最初こそ、猫らはウクレレの形状にビビっていましたが、音そのものにはさほど反応を示さず、下手なウクレレを練習している私の太ももにぴったり寄り添って、グッスリ寝ていたものです。(ちなみにウクレレは上達しないままクローゼットで眠っています)
では、猫にとってバイオリンの音自体が不快なのか?というと、そうでもないように思います。以前、動画で見たことがあるのですが、飼い主さんが椅子に座ってバイオリンを弾いていて、膝の上には猫が心地よさそうに聴き入っている、という状態だったんです。
なので、「生ウクレレは下手でも嫌ではないが、生バイオリンは下手だと嫌」なのかもしれません。我が家では上手な生バイオリンを聴かせられるのはまだ先なので、あくまで仮説です。
または、夫はギターを弾くときは落ち着いて座っていますが、バイオリンは立ってぎこちなく弾くので、単純にその様子が嫌、という可能性もありますね。
テレビの音は気にしないけれど
楽器が奏でる音に微妙な反応をする猫らですが、生活音も気にしているのかいないのか、よくわからないところがあります。
例えばテレビ。猫らが寝ているときにテレビをつけても気にしないし、何なら猫らはテレビの横や裏側で眠るのが大好きです。
テレビがついていても裏側に行くし、テレビ横でくつろいでいるときにテレビをつけても、まったく気にしません。
しかし、テレビから猫の声がしたときだけは例外です。今までに一度だけありましたが、テレビの中で猫同士がケンカしようものなら、まぁ大変でした。
サビ猫の「あんず」は、テレビからの声とは思わずに、猫の声に反応して「何?どこに猫がいるの?どこの誰かわからないけど、アタシに怒ってる?」とでも言いたげな様子でソワソワしておりました。
「あんちゃんのことじゃないよ~」と声をかけてみても、「お前の言うことは信じない!」といった様子で、部屋をパトロールして異変がないことを確認するまで落ち着かないという有様でした。キジトラ猫の「モモ」はとにかくビビり倒して、体を丸めてあんずのパトロールを見守っていた気がします。
チャイム音が最も嫌いなモモ
ビビりが故に、あんず以上に音に敏感なモモはとにかくチャイム音が大嫌い。どんなにグッスリ眠っていても、チャイム音で目を覚まし、体を起こします。
そして、体を丸めて玄関から人が入って来ないかビックビク。これは、チャイムを鳴らした人が家に入ってくるという、モモにとって最悪の事態を想定し、逃げる準備をしているのです。チャイム音の時点で準備が完璧のため、お客様がモモの姿を見ることはほぼありません。
チャイム音といえば、ほとんどが荷物の受け渡しで、玄関先で完結するため、バタン!と玄関のドアが閉まる音がすると、モモはまた眠りにつきます。
逃げる必要のないケースが9割であっても、モモは決して逃げる準備を怠りません。その危機管理能力(?)には、ちょっとだけ尊敬しています。
モモが一番嫌いな音はチャイム音ですが、あんずはさほど気にしていません。もしお客さんが家に入ってきても、あまり気にならないせいでしょうね。
“カサッ”には2匹とも敏感
ではあんずが嫌いな音は何だろう……と考えてみたのですが、子どもの大声が嫌いかもしれません。そもそも、子どもがあまり好きではないですからね……。
また、2匹共通で気になるのが、静かな状態のとき、誰もいないキッチンで袋などがカサッと鳴る音にとても敏感なことです。我が家はキッチンとリビングの仕切りがないことと、私が袋を適当にしまうため、よく“カサッ”とするんですが、猫らは必ずビクッとして音のするほうをジッと見つめるんです。ネズミやヤモリなどの“獲物”でもいるのかと思っているような気もしています。
では、猫らの好きな音は何なのか……。「猫の好きな音楽」とうたっているものも試したこともありますが、反応が薄いんですよね。
猫の耳がいいことは周知の事実ではありますが、猫の性格によっても、気になる音は異なるようで、見ていて飽きません。
2022年の「猫アレルギーですけど」は今回で最後です。今年1回でも読んでくださった方には心より御礼申し上げます。ありがとうございました!よいお年をお迎えください。
(次回は1月19日公開予定です)
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