愛猫の「あんず」と「モモ」
愛猫の「あんず」と「モモ」

テレビ横に籠城する愛猫 募る心配をよそに、猫自身はいたって普通のことだった?

 我が家のキジトラ猫の「モモ」は、ビビりが過ぎて、心配になることがあります。ここ2週間のモモの“異変”には、ヒヤヒヤしました。

あれ? ごはん食べた?

「なんだか最近のモモ、ずっとテレビの横にいるな…

 そう感じた時の2日くらい前から、モモは朝も晩もずーっと、とにかくテレビ横の小物入れの上で寝ていたんです。

ここがテレビ横です。暑くないのか

 とはいえ、モモは若いころから、あまり動かず1日中同じ場所で過ごすことを好むので、今はテレビ横がブームなのかな……程度で、気にするようなことでもないはずでした。でも、さすがに心配になったのは、午後4時ごろのこと。

「あれっ、モモって今日ごはん食べた……?」

 私は朝から家にいたのに、夕方までモモが食べている姿を見ていない気がしたのです。

 相棒猫のサビ猫「あんず」は、朝ごはんやオヤツを催促するため、1日に何度か私の目の前で食べることが習慣化しています。一方で、モモは催促しないどころか、名前を呼んでもその時は食べず、自分の好きな時間にコッソリ食べることが好きなので、モモがごはんを食べるところは、しっかり見ないことが普段から多いのです。2匹とも一気食いしないこともあり置き餌をしているのですが、それがあまり減っていないことにも気が付きました。

器用に丸まって寝ます

 そう思った瞬間、心配でたまらなくなり、テレビ横でくつろぐモモに駆け寄りました。

「モモちゃん!どっか悪いの!?」

 何なの?とばかりに、にらむモモ。いつも通りです。

 そうだ、モモのことだから、ごはんを食べに行くのが面倒なのかもしれないと、モモを引きずり出し、抱っこしてえさの場所へ連れていきました。

 カリカリを目の前にして「あ、ごはんだ」とばかりに、ぱくぱくほお張るモモ。なんだ……食欲あるんじゃないか。

カリカリを食べるモモ

 でも食べるとすぐに、いそいそとテレビ横へと戻っていきました。食べてくれてほっとしつつも、あまりにテレビ横が好きすぎるので、しばらく注意してモモを見守ることに決めました。

モモへの心配が募る

 その翌朝も、ごはんの催促をしないモモ。まぁ、これもいつも通り。

「にゃあ、にゃあ!」と元気よく催促するあんずに食べさせたあと、テレビ横にいるモモを抱っこしてカリカリの前にそっと置きました。すると、「今食べたくないのよ」とばかりに、プイっと顔を背け、またテレビ横へと戻っていきました。

 ……やっぱり心配!!

 モモはもう11歳。どこか病気なのかな……と不安になってテレビ横からモモを引きずり出し、モモの体をくまなく触ってみました。どこも痛がる様子もなく、いきなり体中をなでられて戸惑うモモ。ちょっと嬉しくなったのか、ゴロゴロと喉を鳴らしています。

 トイレの様子も普段と変わりないけれど、テレビ横に籠城する理由は何なのだろう。連日の猛暑のせいで食欲が落ちているのかな……。とはいえ、冷房はつけっぱなしだしなぁ……。でも、こんなに心配するくらいなら、今日明日の様子次第で病院で診てもらうことにしよう。

シッターさんに相談して理由判明

 そんな風に考えているとき、たまたま馴染みのキャットシッターさんとメールでやりとりする機会があり、モモについて相談することに。モモの最近の様子を整理しながら文章を書いていると、大事なことを考慮しておらず、心配しすぎていたことに気が付きました。

  1. 朝になると、置き餌がなくなっている
  2. モモがテレビ横に居座るようになったのは、火災報知機の点検で業者の方が家に入ってきた日から

 この2点を交えて、「モモがテレビ横から動かず、食欲が落ちている気がする」と、シッターさんに相談すると、こんな返信をくれました。

「きっかけは、突然知らない人が入ってきてガヤガヤしたことで警戒モードになってしまったんですね。絶対に人が来ない夜中暗い時になって、ようやく安心してごはんが食べられるという感じでしょうか」

 なるほど! ビビりが過ぎるモモのことなので、飼い主すらいない(寝室にいる)時間にごはんを食べていたというわけか。それに知らない人が家に来て、しばらく同じ場所に籠城するのは、いつものモモのことでした。

 あんずが朝ごはんを食べているとき、モモにも食べるよう促しても、夜中に食べているわけだから、食べるわけがありません。

 高齢ということもあり、心配しすぎていましたが、モモの様子を整理して考えてみれば、いつものモモだったというわけです。

くつろいだ表情のモモ

10日後、いつものモモに戻る

 色々なことがつながって、少しホッとしながらモモの様子を見ていると、変わらずテレビ横を陣取ってはいるものの、子どもが寝てからは出てきて甘えたり、室内パトロールをする姿も見られるようになりました。あんずと一緒に朝ごはんの催促で「ニャーニャー」鳴いている姿をみたときには、感動すらしました。この時、籠城が始まった日から、10日ほど経っていました。長かった……。

 良かった、これでもう大丈夫だ!

 何もやり遂げていないけれど、達成感のようなものを感じたのでした。心配事は、誰かに聞いてもらうなり、整理することが大事。モモは年齢以上に、“ビビりである”ことのほうが、まだ心配すべきことだということも分かりました。

(次回は9月15日公開予定です)

【前の回】来客に大喜びの猫 「もっとなでて!」とゴロゴロ、夜は飼い主に“ふみふみ”

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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