愛猫がご飯を食べてくれない、食いつきが悪い 美味しく食べてもらうポイントを紹介
猫と幸せに暮らすヒントや困りごとの解決法を、獣医師で米国獣医行動学専門医の入交眞巳先生が教えてくれます。今回は、読者から寄せられた「猫のご飯」についての相談に、入交先生が答えます。
愛猫がご飯を食べてくれない、食いつきが悪い
短い梅雨が明けてしまいあっという間に夏が渡来しました。こんなに雨が少ないと、お米は大丈夫かな、と食いしん坊な私は思うのですが、夏というと「夏休み」、「ウキウキ」という連想になり、ウキウキの季節となりました。
さて、今回は猫のご飯についてのご相談に答えていこうと思います。
- 生後4カ月の猫が、カリカリを食べてくれません。(あゆみさん)
- ご飯をあまり食べず、新しい袋を開けると少しだけ喜んで食べてくれます。吐き戻しも多く、病院では「心配ない」と言われましたが、どこか悪いのでは?と心配です。(のりりさん)
- 愛猫はそろそろ16歳。最近ドライフードの食いつきが良くありません。そろそろウェットフードへ変えたほうがいいのでしょうか。(ゆきさん)
食べない理由は食べにくさや不安感、病気など様々
猫がご飯を食べてくれない場合、様々な理由が考えられます。今まで食べていたのに、食べなくなってしまった場合、何らかの病気が隠れている可能性があります。例えば、腎臓の病気、肝臓の病気、胃腸の病気、内分泌の病気などは食欲を変化させます。まずは動物病院に行って、ご相談いただきたいと思います。
せっかく新しいフードを買ったのに食べてくれない場合は、もしかしたら、子猫の時に食べていたフードと違うために食べにくいのかもしれません。フードの切り替えの時に急に切り替えると、食べ慣れないためちょっと不安に思って食べないことがあります。
また人と同じで、食いが悪い(興味がない)から食べない、緊張して不安が強い状態にあることで食欲がない、食べ物として嫌いなどの理由もあります。
他にもいろいろ原因は隠れているかもしれません。どうしても困った場合は動物病院などへ個別にご相談されるのがいいかと思います。
猫にご飯を食べてもらうための工夫。口の中の健康も要チェック
一般的にウェットのフードの方が好きな場合が多いので、ウェットフードを使える場合は使っていただけるといいでしょう。また、香りがあった方がいいので、ウェットでもドライでも、すこし電子レンジで温めると食が進むことが多くあります。
また、お皿の種類にも着目しましょう。お皿が深すぎて食べにくい、お皿がステンレスだからいやだ、などもあります。急にお皿を変えたような場合も注意してください。
16歳でドライフードを食べられなくなったというご質問をいただきましたが、高齢の子の場合、病気も心配ですが、歯の様子を見てください。歯が悪くなっている、あるいは歯肉炎があったりするとドライフードが痛くて食べられなくなります。歯を治療したことで食欲が戻ることはよくありますので、お口の健康も見てあげるようにしましょう。
年齢ごとに気をつけたいご飯の内容
また年齢による食事の注意ですが、子猫は子猫用のフードを、成猫には成猫用のフードを、高齢猫には高齢猫用のフードを選んであげてください。大事な栄養素やたんぱく質の量、ミネラルの量などを考えてフードメーカーは配合しています。
手づくり食を与えている場合は、猫の栄養学をきちんと勉強したうえで必要な栄養素がちゃんと入っているか、確認してください。大事な栄養素が足りないと、体を壊してしまいます。猫は人間ではないので、我々と一緒と考えず、また肉食だから肉だけあげておけばいいという単純なものではないので、ちゃんと勉強して考えてあげてください。
食事を食べなくなると本当に心配ですね。心配になったら、一人で悩まず、まずは動物病院に相談してみてください。もの言わぬ猫だからこそ、万が一病気が隠れていないかどうか、やっぱり調べた方が安全だと思います。
(次回は8月14日公開予定です)
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