毛玉を吐く相棒猫を介抱、忙しい飼い主をそっと見守る 我が家の猫らに学ぶ気遣い術

 猫という生き物は、自由きままで勝手で、我が道を行く――そこが猫の長所であり、我が道を歩みづらい人間にとってはうらやましいところでもありますが、猫と一緒に暮らしていて感じたのは、猫って意外と気を使える生き物でもあるんですよね。

忙しい飼い主に気を使うあんず

 最近、虚弱な私とは違って、あまり体調を崩さない2歳の娘が風邪を引きました。今回の風邪は辛そうで、グズグズと機嫌は最悪。ずっとそばにいなければいけないような状態でした。

 そうなると、家事はもちろん、自分の食事すらままならない状態に。特に何をしているわけでもないのに、機嫌の悪い幼児の面倒を見るというだけで、何もできなくなるものです。

 そんな時、我が家の猫らも割を食ってしまいます。もちろん食事やオヤツ、トイレの世話といった最低限のお世話はできますが、遊びのお付き合いや毛づくろいのお手伝い、ナデナデタイム、まったりタイム(そばにいるだけ)などが割愛されてしまいます。

 そんな時、分かりやすく気を使ってくれるのが、我が家のサビ猫あんずです。

 あんずは、普段は要望が多く、何を欲しているのか分かりやすい猫。あんずがやりたいことを叶えてあげれば、あんずは満足してくれるということになります。

サビ猫「あんず」
要求の多いあんず

 しかし、あんずがやりたいときに、やりたいことを叶えることができないこんな時、あんずは分かってくれるようになったのです。

一日、おやつ以外の要求なし!

 あんずは朝の食事が終わると、自主トレーニング(ひとりで走ったり暴れるだけ)をひと通り済ませ、「にゃぁ~ん」と私のところに甘えにやってくるのが定番です。たいてい、あんずの体を撫でたり、“コロコロ”(掃除用の粘着テープでコロコロ)すると、満足してくれます。

 娘の体調が最悪なときも、その時間になると、あんずは私のほうをチラリ。私も、あんずの甘えタイムだと気が付きました。

 しかし、娘がグズグズして私に寄りかかっているのを見たあんずは、ひと鳴きする前に「あ、今日は無理そうだね」みたいな顔をして、スッと日向ぼっこをしに窓際へ行ってしまったのです。

 そして、その日はあんずからおやつの要求以外はされていないことに気が付いたのは、娘が眠ってホッとひと息ついてからのことでした。普段、あんずに限ってそんなことはあり得ません。

「あんず……ごめんね……ありがとう……」と、涙ぐんだのは言うまでもありません。

 娘が赤ちゃんの時は、嫉妬の鬼と化していたあんずも、成長したものです。

キジ猫「モモ」のマウントを取るサビ猫「あんず」
マウントを取るあんず

 そうかと思えば、夫にその欲求をぶつける場面も見られました。私が寝室で娘を寝かしつけ、ベッドで力尽きていたとき、夫が帰宅。すると、あんずのズドドドド!という足音が。夫が帰って来るや否や、弾丸ダッシュを始め、夫が遊んでくれてようやく、そのストレスを発散できていたようでした。

 あんずよ……娘が保育園に行けるようになったら、たくさん遊んで抱っこしてあげるからね……。

猫に適度に気を使えるモモ

 一方、キジトラ猫のモモは、いつもジトっとした目で飼い主を見ている猫。遠慮しなくていいときまで、自分の気持ちの問題か何かで近づいてこなかったりするので、“今、甘えたがっているな”と、こちらから歩み寄る必要がある猫なのです。つまり、飼い主に余裕がないと、なかなかおもてなしができなくなってしまうというやや面倒な面も。

横目で見るキジ猫「モモ」
甘えたいときのモモ

 それでもモモの場合は、相棒猫のあんずがかまってくれさえすれば、文句のない猫だったりします。

 人間には気を使っているんだか、気を使い過ぎて疲れてしまっているんだか、よくわからない猫のモモですが、同じ猫のあんずにはわかりやすく気を使ってあげているのを見かけます。

 先日、あんずが「オゲー」とすごい声を上げて毛玉を吐き出していました。

 私が「あんず、大丈夫!?」と言う前に、横にいたモモは、あんずの肩を抱くような仕草をしていたのです。

 まるで、酔っぱらいの新入社員を介抱する優しい先輩ような感じで、あんずの小さい肩に前足をかけて、顔を覗きこんで……。え……何それ、猛烈にカワイイんですけど。

 あんずはケロッとしているし、あまりのカワイさに、ニヤニヤしてしまった私でした。

一緒に寝るサビ猫「あんず」とキジ猫「モモ」
仲良く眠る2匹

 猫らがお互いを心配するような場面を見かけたことは何度もありましたが、10年一緒に暮らしてきて、“肩に前足をかける”のは初めて見る光景で感動ものでしたが、ほんの5秒間の出来事で、写真に収めることはできませんでした(1枚目の写真のような雰囲気で、前足をかけて心配してました)。

 ヒトにも猫にも気を使える我が家の猫ら。猫にだって気遣いができるんだから、私も猫をふくめた家族への気遣い、おもてなしは最大限行っていきたいと思います。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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