犬や猫のために行動したい! 動物福祉活動の最前線に寄り添うボランティアという選択

打ち合わせをする2人
活動中の粂ひとみさん。名古屋にあるNPO法人DOG DUCAの代表 高橋氏と定期的な情報交換

 公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。「犬や猫のためにできること」がテーマの連載。今回は、アニドネのボランティア組織「クラブアニドネ」の中で「リサーチャー」という動物福祉活動の最前線の現場に寄り添うボランティア活動をご紹介します。

(末尾に写真特集があります)

動物福祉団体の一番近くに

 大好きな「動物のためになにかしたい!」というキモチは、日本の動物福祉を知れば知るほど出てくると感じています。まさに、私もその当人。知ってしまった以上は、という思いでアニドネを作り10年経ちました。そんなアニドネの中で、2017年に発足したクラブアニドネ(ボランティアチーム)の中でリサーチャーさんと呼ばれているボランティア活動があります。現在9名がご活躍いただいています。

 活動コンセプトは「現場で奮闘する団体さんの活動に“寄り添う”こと」。アニドネ自体は、寄付をお届けすることを公益事業として行っていますが、寄付金のみならず支援する団体さんの活動がうまくいくような情報提供やバックアップをしたいと考えています。情報の集まる中間支援組織しかできない後方支援をしっかり行っていきたい、それは現場で日々活動する団体さんのお役に立つことを目指したく、そしてその団体さんの一番近くにいるのがリサーチャーさんなのです。

「保護団体の現場を身近に感じる」

 ベテランリサーチャーの粂ひとみさん。関わる方をポジティブにチェンジするチカラをお持ちで、いつも輝く笑顔の粂さんは、子供のころからの誰よりも動物好き。そんな彼女がなぜ忙しい合間を縫ってボランティアをしてくださっているのか、を聞いてみました。

〈粂ひとみさん〉
 動物の医薬品メーカーで勤務していた際に、アニドネの活動に賛同しプロボノとして参加。現在は動物関係の企業さんのアドバイザーとして独立。夫1人と元保護猫2匹と愛知県に暮らす。

猫を抱っこする女性
粂ひとみさん。子供のころから犬と暮らしていたそう。現在共に暮らす甘えん坊の黒猫ポジにゃんちゃん

――リサーチャーを担当し、どのように感じていますか?

「日本の動物たちのために日々最善を尽くして頑張る保護団体さんたちの現場を身近に感じることができ、幸せを感じています。一言に保護団体さんと言っても都会の一角にシェルターを持つ団体さんや地方に大きな施設をもつ団体さん、猫専門の団体さんや老犬を中心に引き取る団体さんなど、活動場所や方針や特徴は多種多様です。そんな個性豊かな保護団体さんと一緒に活動できるので日々楽しく勉強になります」

セミナー開催風景
名古屋にあるNPO法人ファミーユさんで、セミナーを実施。各国の動物関連の法律の違いをレクチャー

――やりがいは?

「リサーチャーをしていると、担当の保護団体たちと常に連携をとるので、お届けした寄付が実際にどんな保護犬・保護猫たちに使われたのかがタイムリーに分かります。大変な環境にいた保護犬・保護猫たちが、保護団体さんにレスキューされたことで、日に日に健康な体つきになっていき、表情も豊かになっていくのを見ると胸がいっぱいになります。

 最近も、多頭飼育崩壊からレスキューされたミニチュアピンシャーが、素敵な飼い主さんの元に旅立ち、見違えるように可愛くなった写真が保護団体の代表さんから届きました。代表さんと一緒に喜びを共有し、とても幸せな気持ちになりました!」

――大変なことは?

「自分の得意分野や普段仕事でしていることを、アニドネの活動でも生かしています。好きな時間にオンラインで出来るので、無理なく楽しく活動できています!」

――ボランティアをしてみたい方に伝えたいことはありますか?

「もともと動物業界にいたので、日本の動物福祉の現状について何か私も役に立てるようになりたいと強く思っていました。同時に、つらく悲しい現状を目の当たりにしたら耐えられるかなと心配もしました。

 しかし実際に活動してみると、つらいニュースも目にしますが、動物好きにとってワクワクするプロジェクトに関わったり、ユニークな工夫をしながら頑張る保護団体さんに出会ったりと、楽しいことがたくさんありました。

 同じくらい犬猫を愛するアニドネのメンバーとの活動には、毎日幸せをいっぱいもらっています」

セミナー風景
粂さんはプロスピーカーの資格を持つ方。毎年(2020年はオンラインで実施)日本福祉大学の子ども発達学部の学生さんに向けて動物福祉の特別講義をしています。写真は2019年の様子

「行動を起こさずにいられなくなった」

 もう1名、ご紹介します。つい最近、クラブアニドネに加わった加々見真帆さん。まだ社会人になってから2年目ながら、社会貢献もしたいというお気持ちでクラブアニドネにご参加されました。

〈加々見真帆さん〉
コンサルタントとして企業に勤務。動物の問題を知り、菜食メインのライフスタイルに移行。趣味は、ランニングと読書。東京都世田谷区出身。

女性
加々見真帆さん。平日は忙しい会社勤務なので、主に休日を使ってのボランティア活動中

――なぜアニドネのボランティアに募集したのですか?

「実家で保護猫を迎え入れたことが大きなきっかけです。小さく尊い命と対峙し、何か行動を起こさずにはいられなくなりました。様々な団体や活動の調査を通じて、アニドネの活動に強く共感しました。きちんと動物たちのためにどのようなお金、人の流れを作っていくべきなのかが明確になっていたためです。HPを見てすぐに、ジョインしたい!と感じました」

キジトラ猫
加々見さんの考えや行動をガラリと変えた、保護猫「みらちゃん」。お目目くりくりの美猫さん

――リサーチャーを担当することになり、どう思っていますか?

「不安もありますが、アニドネと担当団体の方々の思いをつなぐことで、より多くの動物たちを幸せにしたいと感じました」

――動物ボランティアでどんなことをしてみたいですか?

「ひとり一人の『何かしたい』を形にするお手伝いがしたいです。活動や所属する団体は違えど、ボランティアの方々は根底に同じ思いを抱いていると思っています。その思いを、継続的に、かつ効果的に体現する方法を考えていきたいです」

誰かのために一歩を踏み出す

 唯一、コロナ禍でいいことがあるとすれば“地球や動物の環境にみなが目を向けるようになったことだ”と感じています。そして、問題意識を持ったら動き出そうという風潮の高まりを感じています。

 もしかしたら、長引くコロナにより感じる閉塞感を打破するための行動なのかもしれないし、誰かのため(アニドネの場合は動物のために頑張る人たち、そして動物たち)社会のために何かをしたい、というもともと人間という社会的動物が持つ本能が刺激されているのかもしれません。

 動機はなんにしろ誰しもがボランティアを生活の一部に組み込みことを当たり前の社会にしたいと考えています。

 リモートによって、暮らし方もぐっと変わりました。仕事や付き合いも選べるようになってきています。空いた時間を自分のために使う、それがボランティアにつながり誰かを助けられるのならすばらしい判断でしょう。

 動物だけでなく、困っている子供、シングルマザー、シニアの方々へのサポートなど、自分の生活エリアであなたを待っている活動が必ずあるはずです。

 アニドネのリサーチャーさんに、必要なスキルは、まずは「犬猫が死ぬほど好き」ということ。あとはオンラインで作業をするので、PC環境は整ってないと難しいです。そして、人とコミュニケーションすることや文章を書くことが苦手でなければ大丈夫です。

 アニドネの場合は、世界中どこにいてもリモートで参加できます。最近、オランダ在住の方もジョインされたんですよ。一歩踏みだしてみようかな、と感じた方はお問い合わせにご連絡ください。

 2021年は今よりはきっといい年になるはず。新たな幕開けに自分の引き出しをひとつ増やしてみませんか?

 この連載の中で、過去のボランティアに関する記事をご紹介しておきます。

犬や猫のためのボランティアを始めてみませんか
犬や猫のためのボランティア 挑戦してみた9人が感じたことは

(次回は2月5日に公開予定です)

【前の回】犬や猫の幸せな未来をつくるため、いま自分にできることは? 寄付を考えてみよう

西平衣里
(株)リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊メンバー、クリエイティブディレクターとして携わる。14年の勤務後、ヘアサロン経営を経て、アニマル・ドネーションを設立。寄付サイト運営を自身の生きた証としての社会貢献と位置づけ、日本が動物にとって真に優しい国になるよう活動中。「犬と」ワタシの生活がもっと楽しくなるセレクトショップ「INUTO」プロデユーサー。アニマル・ドネーション:http://www.animaldonation.org。INUTO:http://inuto.jp

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この特集について
犬や猫のために出来ること
動物福祉の団体を支援する寄付サイト「アニマル・ドネーション」の代表・西平衣里さんが、犬や猫の保護活動について紹介します。
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