犬や猫の幸せな未来をつくるため、いま自分にできることは? 寄付を考えてみよう

今回で3回目の「STORY with PET」は、愛するペットたちの画像とエピソードを投稿する寄付企画。今年のテーマは「コロナ禍のペットと私」

 公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。「犬や猫のためにできること」がテーマの連載。毎年12月は「寄付月間」であることをご存じですか?1年の終わりに「未来を考えて行動する」期間なのです。sippoの読者さんと一緒に「犬猫たちの未来のためにできること」を考えてみたいと思います。

(末尾に写真特集があります)

コロナ禍をともに過ごしたペットに感謝

 あと何年たてば「コロナのときは大変だったね」と笑って話せるときがくるのでしょうか。まだ収束の見えない新型ウイルスの猛威。不安が身にまとわりつく日々の中、ふと目が合う瞬間、あたたかい身体を触るとき、足元から聞こえる寝息にすら、大きな安らぎをもらいました。

 一緒に過ごしてくれた犬猫たちの存在がこれほどありがたく感じたことはなかったと思います。特に犬は、人間の感情と同期する唯一の動物と言われています。見えない不安を感じ取り私たちに寄り添い、日々を支えてくれたに違いありません。

 そんなペットたちへの感謝をつづる企画を、アニドネで実施しています。

語って読んで「STAY HOME STORY」

 実は、今回で3回目の「STORY with PET」(2021年1月末まで実施予定)。毎回、ペットへの深い愛がつづられ、涙腺が緩む企画です。いろいろな意味で特別なこの年のテーマは「コロナ禍のペットと私」。1投稿につき500円がアニドネから寄付されます(寄付目標50万円)。寄付はアニドネから拠出され、保護動物や伴侶犬の育成費用として全額寄付となります。

 投稿されたSTORYをひとつご紹介しますね。

「毎日ありがとう」
To:ほくと From:こなほく

「コロナの感染拡大によって、海外赴任中の夫は7カ月間帰国出来ずでした。そんな日々を常に傍にいて支えてくれた我が子。緊張感のある毎日ですが、普段通りの我が子を見るだけで、心がすっと楽になります。

 夫が7カ月ぶりに一時帰国した時は、とても喜んで、喜び過ぎてご飯を食べないほどでした。3人で散歩に行ける幸せ、3人でご飯を食べられる幸せ。当たり前のことが本当にありがたく幸せだと気づくことができました。

 てんかんや、ヘルニアなど持病がある我が子ですが、楽しく、元気に過ごせるよう、私たちにくれている幸せや喜びを少しでも返せるよう、全力でこれからも守っていきたいと思います。うちの子になってくれて本当に本当にありがとう」

投稿された「ほくと」ちゃんの写真。パパと再会できて本当に良かったね!くるんとかわいいお手々だね

 とても深くて強い感情を持つ犬猫たち。コロナは理解できなくてもパパがいないことを感じて寂しい思いをしていたのでしょうね。ぜひ、あなたもペットとの素敵なお話に写真を添えて投稿ください。ペットを愛するキモチが不幸な状況にある犬猫たちを救う手立てになります。

動物のためのレガシーギフト

 アニドネでは自分の財産や相続した遺産を動物のためにいかせるレガシーギフトを世の中に広めたいと思って活動をしています。今年、専用HPをリニューアルし、情報を充実させました。

 レガシーギフトに賛同してくださったkenjiさんの思いをご紹介します。

人生で4匹の犬と暮らしてきたkenjiさんの子供時代と愛犬

――なぜ、ご自身の遺贈を動物のために活かそうとお考えになられましたか?

「私はこれまでずっと独身のため家族がいません。将来遺産をどうしようかと考えていました。私は犬や猫はもちろん、愛らしい動物が大好きで、見たり触れ合ったりするたびにとても癒やされます。しかし新聞、テレビで動物の殺処分や虐待、人間の身勝手な理由での飼育放棄、そのほか密猟や悪質な密輸などのニュースを見聞きするたびに激しい憤りとともに胸が苦しくなります。

 なんとかそういう悲しいことがなくなってほしいと願っています。そして数多くの不幸な境遇に陥ってしまった動物たちを救うために一生懸命尽力されている保護団体などに感謝しています。しかし、その多くが人手不足であったり、財政的に厳しい状況であることも耳にします。このようなことから、将来自分の遺産を少しでも動物たちのために役立てていただけたらと考えました」

――公正証書を作成することをいつからお考えになって、どのくらいの期間で作成されましたか?

「私は基礎疾患があるので、早めに遺言を作っておくべきだなと、数年前(50代)からぼんやりとは考えていましたが、どのようにしたらよいのか全く知識がありませんでした。2019年11月に、紹介してもらった税理士さんに相談し、公正証書遺言を作成することを決心しました。

 しかし新型コロナ感染拡大のため打ち合わせや作成に出向くことができず、半年以上放置したままになっていましたが、2020年8月になってようやく作成にとりかかりました。私の場合は税理士さん、司法書士さん、公証人の方と計4回打ち合わせを行いましたが、この間に遺贈先を検討したり、必要書類取得のために役所へ行ったりで、実質的には作成に1カ月ほどかかりました」

――書き終えてどのようなお気持ちでしょうか?

「遺言を作り終えてほっとしました。肩の荷が下りた感じです。遺言を残さなかったら、遺産が自分の意向とはまったく違うところに行ってしまいますから」

――これから書く方にアドバイスをするとすれば、どのようなことを伝えたいですか?

「アドバイスというわけではないですが、もし動物が好きな方であるならば、遺産のうちのほんの一部だけでもいいと思いますので、いとおしい動物たちを助けるために遺贈寄付をしてあげてほしいです。動物たちはほとんどの場合、自力で不幸な境遇を乗り越えるのは難しいですから」

 実は、筆者自身、そろそろ遺書を書こうと思っています。まだまだ先のことかもしれないですが、明日何が起こるかわからないと痛感したものコロナ。日々生かされていることに感謝をし、未来の準備をしていく2021年にしようと思っています。

日常を豊かにする寄付付き商品

 最後に、商品を買うことで寄付になる愛犬愛猫グッズをご紹介します。買い物ついでに社会貢献ができてしまうのです。今回紹介する商品にはすべて寄付がついています。

 犬と私のおそろい商品がそろっているINUTO。ただでさえ幸せなお散歩タイムがさらに楽しくなるおそろいグッズ。今年がんばった私と愛犬へのクリスマスプレゼントにいかがでしょう。

INUTO。素材とデザインにこだわっている商品ばかりです。帽子職人が作っているキャスケットは今年の新作

 リモートワークで、自宅を改装したり、都心から少し離れた物件の売れ行きが好調とのニュースを耳にします。愛犬家住宅さんが設計するおうちには犬猫への配慮が満載です。

人と犬が幸せに暮らせる住まいづくりを目指し住宅の設計・コーディネートを手掛ける愛犬家住宅

 今回、今すぐできる寄付から自分の人生を考えた寄付、お買い物寄付とご紹介しました。アニドネを運営する私の根底にある思いは日本の動物福祉の向上を計り、真の人と動物の共生社会の実現です。大きな目標を掲げて、諦めず2021年も活動を続けます。

 私が尊敬する霊長類学者ジェーン・グドール(Jane Goodall)博士は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、人類が自然を無視し、動物を軽視したことに原因があると指摘しました(出典:AFP BBnews)。唯一、コロナ禍で得た良きことは誰もが自然や動物がいかに大事かに立ち戻る経験をしたことだと思います。自分に今できることはなにか、そして少し先の未来を考えたときにどんな準備ができるのか、思いを巡らす年末年始にしてみるのはいかがでしょうか。

【前の回】コロナ禍で飼い主が失業、劣悪な環境に犬猫54匹超 「飼わない」ことも動物への愛情

西平衣里
(株)リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊メンバー、クリエイティブディレクターとして携わる。14年の勤務後、ヘアサロン経営を経て、アニマル・ドネーションを設立。寄付サイト運営を自身の生きた証としての社会貢献と位置づけ、日本が動物にとって真に優しい国になるよう活動中。「犬と」ワタシの生活がもっと楽しくなるセレクトショップ「INUTO」プロデユーサー。アニマル・ドネーション:http://www.animaldonation.org。INUTO:http://inuto.jp

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この連載について
犬や猫のために出来ること
動物福祉の団体を支援する寄付サイト「アニマル・ドネーション」の代表・西平衣里さんが、犬や猫の保護活動について紹介します。
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