事故で足1本を失った子猫 ハンディを感じさせず、のびのび成長

 交通事故で片方の後ろ足の先端を失ってしまった白い子猫。保護主は、切断するかどうか選択も迫られた。そんな心配をよそに白猫はすくすく育ち、譲渡先でハンディを感じさせずのびのび育っている。

(末尾に写真特集があります)

後ろ足の足先を失った子猫

 2018年9月、大阪府内の道路で交通事故に遭い、後ろ足1本をケガして動けなくなっている白い子猫が保護された。発見者はどうしたらいいか分からず、保護活動をしている枚方市の猫の保育園「キャットフィールド」に連絡した。生後3週間くらい、まだミルクしか飲めない子猫だった。

 キャットフィールドの保護主は、子猫の後ろ足の足先が完全になかったので、慌てて動物病院に連れて行った。1軒目と2軒目の動物病院では「足に負担がかかるので、大きくなったら足を切断したほうがいい」と診断された。3軒目の動物病院では「骨の部分が固まっているから、切断しなくても、治ればいいのでは」と言われた。

足先がないハンディをものともしないシピちゃん

 子猫は足が不自由なことなど気にもとめず、ごくごくとミルクを飲んでのびのび育っていった。歩けるようになると、心配をよそに動き回るようになったが、歩くと傷口がジクジクしてきた。

 保護主は最初のうち傷口にバンドエイドを貼っていたが、すぐに膿んでしまうため、バンドエイドをやめてワセリンを塗った。すると、傷口が乾き、動いても膿まなくなった。病院で「乾いてきているし、切断は必要ないだろう」と獣医師に言われた時は、本当に嬉しかったという。

ハンディを感じさせない活発な猫に

 大阪府に住む片岡さんは、足をけがした子猫のことを保護主のインスタグラムで見かけた。「生後8カ月くらいで足を切断予定」と書いてあり、衝撃を受けた。足にはバンドエイドのようなものが貼ってあった。それ以来「あの子、譲渡決まったかな」とずっと気になっていた。

 片岡さんが3匹目を迎えることも考えたが、当時すでに2匹の猫を飼っていたため、簡単に決められなかった。しかし、子猫を見ていると、キャットタワーにも登れるし、普通に生活できるようだった。片岡さんは、幼稚園に通う息子と一緒に会いに行ってみた。

食卓を占拠しちゃいました

 譲渡先を募集する際、「小学生未満のお子さんがいるところは不可」と条件がある場合がある。そのため片岡さんは保護主に息子に会ってもらおうと思ったのだ。保護主は「猫が子どもと一緒に成長していくって、すごくいいことだと思う」と応じてくれた。

 片岡さんは夫とも話し合い、2018年12月、3匹目の猫「シピちゃん」を迎えた。

 シピちゃんは後ろ足1本が不自由だが、とても俊敏に動く。ジャンプしてテーブルの上にも登れるし、一緒に暮らしていく上で、何の問題もなかった。おとな猫になってからは、知らない人が家に来ると隠れるようになったが、普段は活発に動き回る。犬のようにボール遊びが好きで、投げてあげるとボールを取ってくる。温かな家族に見守られて、のびのびと暮らしているという。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この特集について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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