臆病な愛犬「福」突然のアプローチが苦手 とーさん散歩中ヒヤリ
月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんは、困り顔の元保護犬「福」と暮らしています。臆病な福は、人でも犬でも不意の接触が苦手。そのため小林さんは、他の飼い主さんやワンコからのアプローチに悩むことがあるそうです。
ドッグランで「やばい!」
あまり保護犬について勉強せずに家に迎えてしまったとーさんですが、一番悩んだ(というか現在進行形ですが)のが、ほかのワンコたちとの人間関係…いやおかしいな、犬関係です。
元保護犬の福がお散歩が苦手だった話は以前に書きましたが、どちらかといえば引きこもり犬だった福に外の楽しさを教えるべく、やってきてしばらくは積極的に近所の公園にあるドッグランに連れて行きました。でも、ほとんど上手にほかのワンちゃんたちとは遊べないんですよね。
せっかくお友達が「くんくん」とあいさつにきてくれても、尻尾をまたの間にはさんで、とーさんの足の間にきゅーーっと入りこんで、縮こまってる。それはそれは尋常ではないおびえ方でした。
それでもとーさんと福のふたりだけになったり、ほかのワンコと大きなスペースがあるときは少しは歩いたり(ボールを取ってきたりそういうことは一切しない)してくれました。
でもある時、まだまだトレーニングも終わっていないジャーマンシェパードがすごい勢いでやってきて福を転がして、ガウガウやったことがありました。一瞬の出来事でとーさんもあっけにとられていて、どうしたものかわかりませんでしたが、やばい!!!と思った時にはもう福は地面に組み伏せられていました。
そのうちシェパードの飼い主さんがやってきて、引き剝がしてくれたのですが、いやあ焦りましたね。それからというもの、さらにドッグランが苦手になったのでした。福もそしてとーさんも…。
ぐいぐいアプローチも悩みの種
公園で遊ばせている時や、お散歩中に他のワンコや飼い主さんからの積極的なアプローチにも悩んでいます。
保護犬の多くが持つ臆病な性格をわかってくれている方は本当にやさしく、驚かさないように、確認しながら接触してくれるのですが、まだまだそういう認識は浸透していないのが実情です。いきなりなでようと手を出してきたり、自分のワンコを積極的にからませようとしてきたり、いずれも悪意がないだけに(というかむしろすごくいい人なので)難しいのです。
いつだったかとーさんの背後から福におやつをあげようと手を出した方がいまして、あまりのことに驚いた福が突然走り出したことがありました。不意のことにリードを握っていたとーさんの手もゆるんでいたために、リードがすごい勢いで手の中で滑り出し、やけどをし、指の関節が逆方向に曲がって痛めてしまったことがありました。
きっとその方のワンちゃんはお利口で、こんなことくらいでは驚かないのだと思いますが、福のような臆病犬はこうした不意の接触がとっても苦手なのでした。
ノーリードのワンコに冷や汗
また、ノーリードで遊ばせているワンちゃんと出会ったときも、とーさんは緊張のあまり額とわきの下に汗がにじんできます。もちろんそうしたワンちゃんたちはしっかりとしつけができているのです。でも、うちの福がしつけられていないから問題なんですよねー。
「うちの子は気にしないので大丈夫ですよ」みなさんそうは言ってくださるのですが…いやうちが気にするので…ほんとごめんなさい。できればドッグラン以外ではリードしてもらえると、うちのようなダメ犬オーナーさんたちは安心するのではないかと思うのです。
うちの福がけがするならまだしも、相手をけがさせちゃったりすることもありますからね。福みたいに普段うんともすんとも言わないおとなしい犬のほうが逆ギレしたときは怖いんですよね。前触れもなくガウッ!!!!といっちゃったり…怖っ!
黄色いリボンの犬に出会ったら
こんな悩みをインスタグラムにいつだか投稿したときに、読者の方から教えてもらったのが「イエロードッグプロジェクト」でした。
これはトレーニング中だったり、手術後であったり、さまざまな事情で近づいてほしくないワンちゃんたちが、「そっとしておいてください」というサインに黄色いリボンを目印につけておくという運動なのです。2012年ごろからスウェーデンのドッグトレーナーさんたちからはじまった世界的なプロジェクトのようです。
とーさん自身は黄色いリボンの犬に出会ったことはありませんが、はやくこうした運動が認知されることを望むとともに、どんなワンちゃんにでも近寄ったりするときは飼い主さんに必ず確認すること、そしてリードはしっかりつないでおくことを飼い主の最低限のマナーとして守っていきたいものです。
◆小林さんが発行人を務める月刊誌『天然生活』のサイトはこちら
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