とーさんが今年保護した５匹の元野良猫たち　その後のみんなの様子は？

小林孝延

2024/10/19

　月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長を務め、多くのヒット作を生み出してきた編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬の「福」と、元保護猫の「とも」「もえ」、そして今年保護した元野良猫の「ヤン」と「イン」とともに、賑やかな日々を過ごしています。動物たちとの暮らしを、とーさんの日常を通してお伝えしていきます。

（末尾に写真特集があります）

今年保護した猫たちの成長

　朝夕、すっかり涼しくなりました。今年もまた、外猫さんたちにとって厳しい季節が目の前まで近づいてきました。そしてこの時期は、親離れした子猫たちが小さな体でいっちょまえにうろうろし始めるタイミングでもあります。

　今年の冬から春にかけてとーさんが保護した猫たちは５匹。みんな無事に推定１歳（ママ猫だけは年齢不詳）をむかえました。今回は、その後のみんなの成長の様子をお伝えしたいと思います。

　冬の寒さをしのげるようにと思ってベランダに置いた段ボール猫ホテルに、気がつけば押し合いへし合い数匹の猫がおしくらまんじゅうのように暮らし始めた２月。

　まずは最初に窓越しに見えるとーさん、福、とも、もえの暮らしが気になって、気になってずーっと窓にへばりつくようになったのが、ハクビシン柄にタキシード、白手袋がかわいいヤンでした。ヤンは保護した時の体重が３kgでしたが、今は4.7kgにまで成長しました。みんなの中でいちばんに我が家に入りたがったくせに、じつはいちばん臆病でシャイ。いまもなかなか触らせてくれません。でも、とーさんのことはとっても気になるみたいで、いつも一定の距離からじーっと熱視線を浴びせてくるのです。そして、とっても甘えん坊で、先住のお兄さん猫ともにべったり。ともに毛繕いしてもらっていつもうっとり過ごしています。

　３月。次にとーさんが捕獲したのが、はなちょうちんのような模様の白黒猫の福子。捕獲した時はきょうだい？と思っていましたが、病院に連れて行ってびっくり。出産経験のある女の子でした。年齢は不詳ですが生後１年はたっているだろうとのこと。ということはヤンのお母さんに違いない！！と当初、ヤンママと名付けました。野良時代が長かったせいか、保護してしばらくはフードもちゅーるも断固拒否。なかなか手ごわいがんこちゃんでした。この子は以前そっくりな模様の猫「福助」を飼っていたというご家族のもとへ。福子と名付けられました。しばらくはシャー！！がやまず、人の気配を感じると物陰に隠れていたようですが、今ではすっかり家猫らしく、表情も穏やかになりました。優しいお家の子になれてよかったね。

　４月。つづいて保護したのはタキシード柄に白手袋。顔以外がヤンとうりふたつのインでした。ベランダの段ボール猫ホテルにいるときは目立たない存在でしたが、うちにやってきた途端、やんちゃな本性が炸裂（さくれつ）。走って飛んでありとあらゆるものをなぎ倒し、パンでも大福でも手当たり次第に口にくわえて盗んでいきます（笑）。食欲は止まるところを知らず、他の猫たちのごはんまで食べ尽くす勢い。インが来てからとーさんの家のみんなが守っていた「暗黙のルール」はすべて変わりました。寝る場所しかり、食べる順番しかり。でも、この台風のような存在が気になりすぎてしまい、結局、予定外でしたがうちの子になりました。

　５月。まだまだ続きます。続いて保護したのが、ひとまわり小さなかわいい黒猫のノアちゃん。ベランダ住まいの時代から、いつも控えめ。ごはんにありつけるのは最後の最後でずっとおなかをすかせていたノアちゃん。性格はおっとりおだやかです。ノアちゃんは、家族募集のときにいちばん最初に手を挙げてくれたすてきなご家族のもとへ。シャーをすることもほとんどなく、先住のわんこのことが大好きなようで、どんなにそっけなくされてもめげずにアピールしているそう。

　６月。いつの間にかベランダハウスに出入りしていたのが、福子にうりふたつの、はなちょうちんにタキシードのももちゃん。警戒心が強く、最初はなかなか捕獲器にはいってくれませんでした。捕獲後もとーさんがいるところではフードに口をつけてくれずとてもしんぱいしましたが、これまたとっても優しい飼い主さんのお家の子になりました。先住猫さん２匹ともすっかり仲良し、先日もリビングでのんびりくつろぐ様子の写真がLINEでとどきましたよ。