2匹の猫が遊びを譲り合い? 狩りの様子、もう1匹はじっと静観
何事も人と譲り合い、平和に過ごしたいものですが、人の営みと同様、我が家の2匹の猫たちも、譲り合って暮らしているように見えることがあります。
それが最も分かりやすいのが、遊びのときです。
遊びのきっかけ作りは、毎回あんずの役割です。遊びたい気分になると、飼い主にすり寄って「ニャーニャー」鳴きます。でも、モモが遊び要求をすることはありません。
私か夫がおもちゃを取り出し、あんずと遊びを始めると、モモも遊びに参加することもある、という程度で、モモはそれほど遊びに執着していない様子です。
あんずが遊び始めるとモモは…?
あんずは毎日遊ばないと気が済まないタイプなので、あんずが遊ぶ様子をモモは遠くから寝そべって見ていることがほとんどです。
先日、おもちゃを新調しました。夫が操るその昆虫風のおもちゃめがけて、あんずはピョンピョン飛び跳ね、特に興奮していたのですが……。
モモはおもちゃが新しいことに気づいたのか、あんずのあまりの興奮に触発されたのか、“ヨッコイショ”と、ゆっくり腰を上げて近づいてきました。
最初は見ていただけだったのが、あんずがお尻をフリフリさせておもちゃを狙っていたところにモモは突如割り込み、おもちゃに突進しました。
そこからは、モモとおもちゃの“戦い”。モモはいつもののんびりモードとは正反対の、本来のハンターの姿に戻ります。
そもそもあんずは、おもちゃで遊ぶとき、おもちゃを追いかけてドタバタしているだけですが、モモの場合は、狙いを定めてしっかりと“捕獲”して口に運ぶところまでが一連の流れになっています。
そんなモモの遊びが始まると、あんずは今までの興奮が瞬間冷却され、“スン”とした表情でハンター・モモの様子を一歩引いた場所から見ているだけになりました。
あんずが始めた遊びにモモが積極的に参加し始めると、あんずが引いてしまうのは毎回のことです。
やんちゃなあんずの性格なら、モモと一緒になっておもちゃを追いかけるか、モモを押しのけておもちゃに向かっていきそうなものなのに、モモに一切譲ってしまうのです。
ハンターとしての能力の低さを自覚して、格上のモモに譲っているのか、同居猫のよしみで譲ってあげているのか、はたまた、“私が遊んでいたのにー”と恨みを込めて睨んでいるだけなのか……。
モモが疲れてクールダウンしてからも、あんずは一度冷めた気分がなかなか戻らないのか、おもちゃで誘っても盛り上がってくれないので、遊びは一旦終了となります。
遊びを譲って消化不良?
遊びというか、狩りを堪能して満足したモモと、遊び足りずに消化不良のあんずが並んで休憩する時間は10分ほど。そのうちにあんずは“いやいや! 私、まだ遊び足りないから!!”と言わんばかりに、すっくと立ち上がり、「ニャーニャー」と2度目の遊び要求を始めます。
すでにおもちゃは仕舞ってしまったので、とりあえずあんずは一人でダッシュして遊び足りない気持ちを解消することになります。
それでもやっぱりおもちゃで遊びたいあんずは、諦めずに鳴いて遊びをせがみ、今度は夫が「しょうがないなー」と重い腰を上げて遊びが再開します。
そうなると、モモは割り込むことなく、あんずの遊びを見守ります。まぁ、何度も割り込んだら、さすがにあんずの怒りを買うでしょうが。
私から見れば、2匹で一緒に遊んだほうが楽しそうな気もしますが、遊びを狩りとするならば、1匹で集中したいのかもしれません。
お互い、遊びの横入りをされても、怒ったりけんかになったりしないので、理由はどうあれやっぱり譲り合っているのかな、と思っています。
とはいえ、そもそも遊びを始めるのはあんずで、毎回横入りされるのもあんず。その結果、ストレスが溜まるのもあんずなので、「あんずがモモにやむを得ず譲っている」ことになりますね。その代わり、モモはおやつをあんずに譲ったりしているので、2匹の長い付き合いのなかで、何を譲るかの折り合いをつけているのかもしれません。
(ヤスダユキ)
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