テーブル下にひそむ13歳の愛猫2匹
テーブル下にひそむ13歳の愛猫2匹

愛猫がシニアになる前に 「やっておいてよかったこと」「やっておけばよかったこと」

 長い夏がようやく終わりを迎え秋らしくなってきました。我が家の13歳の老猫「あんず」と「モモ」にも食欲の秋が到来し、毎日モリモリ食べております。冷房の効いた部屋で快適に過ごしていても四季を感じ取れるものなのだな、と毎年感心します。

 さて、連載2回目は、愛猫たちがシニアになる前に「やっておいてよかったこと」、「やっておけばよかったこと」についてお伝えしたいと思います。

やっておいてよかったこと①「寝室を猫と分ける」

「やっておいてよかったこと」の1つ目は、寝室を猫と分けたことです。つまり、人の寝室で猫は寝ることはできません。なかには、信じられない!という方もいらっしゃるでしょう……。

 私自身、猫が来たら絶対に寝室を分けよう!と考えていたわけでもなく、むしろ猫と一緒に寝ることは憧れでもありました。しかし、それほど深く考えないまま、寝室の扉(引き戸)は猫らを迎える前から習慣として閉めて寝ていたこともあり、そのまま、いつの間にか、キッチリ分れるようになりました。

 寝室を分けてよかったと思うのは、ビビりのキジトラ猫「モモ」があってのこと。

ビビりのモモ。いつも顔がコワい(笑)

 猫が来た最初の頃、人懐っこいあんずは早めに我が家に慣れたものの、モモは人間がいる時間帯は家具や家電の後ろに隠れ続け、夜になって人間が寝ると出てきて、食事をしたりあんずと眠ったりしていたようでした。

 モモは赤ちゃん猫時代からあんずと同じ保護猫団体のもとで過ごしていたので、もともとあんずのことが大好きでした。あんずがいるおかげで、モモも安心し、ゆっくり我が家に慣れることができたのだと思っています。

 また、あんずもそんなモモを気にしていて、隠れているモモをよく見に行っていました。あんずがいたこと、そして、夜は寝室の扉が閉じられている、すなわち人とは別の空間にいられることで、モモは慣れない時期も夜くらいは安心して行動でき、またぐっすり眠れていたのではないのかな……とも思うのです。

 また、寝室を分けていたことで、私自身の猫アレルギーともうまく付き合えています。

 私の猫アレルギーは2匹を迎えてから発覚しました。「夜だけでも、別々で暮らしてアレルギー反応を軽減させよう」となり、この習慣は現在も続いています。

 病院で猫アレルギーが発覚したとき、お医者様に「猫に出て行ってもらうわけにもいかないしね……」と言われたのですが、もともと寝室は別なのでそれほど深刻にならずに済みました。そのおかげもあってなのか、私は症状が軽いのか、猫アレルギーでも快適に猫と過ごせています。

 今は寝室に入りたがることもありますが、“寝るところではない意識があるようで、寝室に入ってもすぐに出ようとするか、くつろぐことなくベッドの下などに隠れてしまう猫らです。

やっておいてよかったこと②「食卓に猫を登らせない」

「やっておいてよかったこと」の2つめは、食卓に猫を登らせないことです。

 これも、猫と初めて暮らす私はさほど気にしていなかったのですが、実家で何匹かの猫と一緒に暮らしたことのある夫が「子猫の頃からしつけをしたい!」と言い出したことから始まりました。

 夫の実家にいた猫はたいそうやんちゃだったそうで、食卓の上でも大暴れ。かわいいけれど、食事中でさえも変わらない様子で大変な思いをすることも多く、初めから「乗ってはダメなもの」と教えたほうが、お互いのためになると考えたそう。

 私が購入した、初めて猫を飼う時に読むマニュアル本で「しつけには水を入れたスプレーを使う」というのを見ました。事前に食卓やキッチンに水の入ったスプレーを準備しておいて、猫が食卓に登ろうとしたら、プシュ!とひと吹きするのです(※)。水が顔や体にかかるとかわいそうなので、気づいてもらえる程度に離してひと吹き。

 猫が「水が出た!なんだ!?」と思えば成功です。これは効果てきめんで、ものの数回で本当に登ろうとすらしなくなりました。

 ※正しい方法・教え方は専門家に指導を仰ぐようにしましょう

5歳の娘に仲良くしてくれるあんず

 たまにドラマやドキュメンタリーで猫が食卓に上っているのを見ると、「実はこっちのほうが猫飼いの当たり前……?」と思ってしまいますが、娘が生まれてまだ小さなときはとくに、登らないようにしておいてよかったなと感じることがよくありました。

 育児中は本当に余裕がなかった私ですが、例えば食事を邪魔されてイライラしてしまようなこともなく、猫たちもいつも通り穏やかに過ごせたのではないかと思っています。

 ちなみに、夫の仕事机ではまったくしつけをしなかったので、今でもバンバン登っています。

やっておけばよかったこと「お口のケア!」

「やっておけばよかったこと」、我が家の場合は1に歯磨き、2に歯磨き、3、4がなくて5に歯磨き。とにかく歯磨きです。

 子猫の頃から口元を触られることに慣れていれば、しっかり口腔ケアができるとも聞く一方で、猫らが我が家に来たのは生後半年経っていたので、すでに口を触られるのを嫌がることが予想され、早々に諦めてしまっていました……。

 それで歯磨きオヤツなどもよくあげていましたが、まあ食べません。

 前回の記事でも触れましたが、モモは免疫が低いことで口の中もとても弱く、今はしっかり歯肉炎があります。口をクチャクチャさせて気にしていることが多く、投薬でなんとかしのいでいますが、口腔ケアができていれば、こうなることを遅らせることもできたのかな……と後悔しきりです。

収穫したサツマイモとむかごに並んでくつろぐモモ

 でも、キャットシッターさんによると、「猫に歯磨きをしているご家庭はとても少ない」と聞くし、あんずはたまに歯肉炎になっても投薬で治るので、一概には言えないことなのかもしれません。

 子猫のころからやっておけばよかったこと、猫と暮らす方であれば、1つや2つあるのではないでしょうか。猫の様子をみながら、お互い無理なく快適に過ごすことが出来たら良いのではないかな……とも思っています。

(次回は11月21日公開予定です)

【前の回】老化の現れ方は全然違う 子猫のときに一緒に迎えた同じ年齢のシニア猫2匹

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫がシニアになりまして
安田有希子
2015年にスタートした連載「猫アレルギーですけど」がリニューアル。子猫のときに2匹一緒に迎えたキジトラ猫「モモ」とサビ猫「あんず」も、気がつけば13歳と立派なシニア猫に。体調や2匹の関係にも少しずつ変化があらわれてきて、“猫アレルギー”の飼い主も奔走させられること度々。シニアになった猫の変化に焦点をあてながら、慌ただしくもいとおしい日常をつづります。
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