待ちかねてお迎えしたパグの子犬　走り出したら止まらない！飼い主にかみつき流血沙汰

　待ちかねてお迎えしたパグの子犬は、家の中では走り出したら止まらない、なのにお散歩では断固として歩かない。勢い余ってかみまくり……。格闘すること１カ月あまり、疲れ果てた夫婦はＵＧ ＤＯＧＳアトラスタワー中目黒店（以下ＵＧ）へ。

　激アツ店長こと高橋信行さん、中目黒の駅前で叫ぶ。

「手がかかり、他人からも誤解されがちな鼻ぺちゃ系。でも、最高にかわいいことを僕は知っている！」

（末尾に写真特集があります）

パグの子犬を迎える

「犬を飼うのは反対！」

　実家に２匹のトイプードルがいて、「うちにもほしい」という妻に、夫はガンとしてうなずかなかった。「犬は嫌いじゃない。でも、どうしたっていつかは見送らなければならない。それを考えただけで耐えられなくて」。やさしすぎるがゆえの理由だった。

　しかし、妻の思いもくんで週末は２人でペットショップをまわるように。ある日、パグの子犬に出会う。「トイプードルやダックスフントはたくさん見かけるけど、パグってなかなかいないので、目を引きました」と夫は振り返る。

　月齢３カ月のパグは、とにかくよく動いて暴れて、わちゃわちゃ！　そのやんちゃな姿に「かわいいなぁ」と夫の心がほぐれ始める。「飼うならパグがいい、と思い始めました」。一方、妻は「え？なんでパグ？……と。犬をほしいと言ったのは私ですが、パグはこれまで候補として考えたこともなかったのです」と笑う。

　とりあえずお迎えできるのかどうかを判断するために、夫婦はアレルギー検査を受けることに。結果が出るまで２週間。「もしこの間にほかのおうちに行ってしまったら、あきらめようと思いました」。そう言いながらも子犬のことが気になり、自宅から少し遠かったにもかかわらず、夫妻は２日おきにショップに通った。

「会うたびに『ボクを連れて帰って！』の圧が強い（笑）。その姿がなんとも可愛くて、この子ならお迎えしたい、と思うようになっていました」と妻＝お母さん。そして、アレルギーも陰性と判明。「検査結果を聞いたその足で、大急ぎでお迎えに行きました」と夫＝お父さん。

遊びとはいえ流血することも…

　名前は「カズマ」に。お父さん、お母さんともに好きなゲームの主人公の名前から取った。

　おうちにやってきた初日。カズマくんは様子見をしていたのか、おとなしく、夜鳴きもしなかった。ホッとしたのもつかの間、翌日にはものすごい勢いで家中を爆走する、いわゆる「犬っぱしり」を始め、お父さんとお母さんの手に足にとかみつくように。

「本気でかむ、というよりは、『遊ぼうぜ！』と誘った勢いでガブっ、という感じでした」とお父さん。とはいえ、流血することもしばしば。手も足も傷だらけになった。相手はお父さんやお母さんだけではない。「犬用のテントがかわいくて買ったのですが、３日で破壊。使い物にならなくなりました」とお母さんは苦笑い。

　エネルギーを発散させようとボールを投げてみたが、知らんぷり。「誰かが持っているボールはほしがるのですが、投げたボールを追いかけることには興味がないみたいで……」。じゃあお散歩へ、と連れ出してみたが、断固として歩かない。

いざ、決意を固める

　初めての子犬育てにてこずるお父さんとお母さんに、お母さんの実家からは「早くＵＧの店長に相談を」とアドバイスされた。実は実家のトイプードル、特に弟分の２匹目が当初は触ることもできないの暴れトイプーで、高橋店長やＵＧの群れの中でもまれた経験があったのだ。「心のどこかで『いざとなればＵＧへ』とは思っていました」とお母さん。すでに店長とLINEでやりとりし、相談を始めていた。

「ワクチンが終わっていないので仕方なかったのですが、終わったら一刻も早く連れてきたほうがいいと思っていました。そのぐらい、動画に映るカズマくんはハイパーパピーだった」と店長は振り返る。

　自分たちでできることはやってみようと、お父さんは動画配信サイトで見つけたしつけ法を試すことに。かまれたら犬ののどの奥まで指を突っ込むという「罰」を与えるものだった。思い切ってやってみると、カズマくんは「オエっ！」。「かわいそうで見てられなくて……。二度とやりませんでした」とお母さん。

　カズマくんをお迎えして１カ月あまり、ついに「いざ」のときがやってきた。お父さんとお母さんは、いざ店長にもとへ駆け込む。

後編につづく（１月27日公開予定）

高橋信行店長　プロフィール

物心がつく頃から動物関係の仕事に就きたいと考え、動物系の専門学校を卒業後、ペットショップに就職。いくつかの転職を経て、現在はUG DOGSアトラスタワー中目黒店店長。これまでカウンセリングは1300件以上、お泊まりで預かった犬は1000匹を超える。愛犬は、ジャック・ラッセル・テリア「ロイス」。

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