楽しい思い出と共に過ごしたい 犬や猫との別れから教えてもらったこと
保護犬の預かりボランティアをする、インテリアデザイナーの小林マナです。犬や猫と暮らしやすい住空間をつくり、いまは保護猫1匹と、預かり犬1匹と生活をともにしています。第42回は「別れとの向き合い方」をお伝えしていきます。
身近な人の影響を受ける犬や猫
昔、母親が動物たちの健康状態を見て「動物たちは具合が悪くなるのに、子供たちは元気でいてくれてありがたい」とよく言っていました。
母の持論としては、人間が病気しないように動物たちが身代わりになってくれているのではないかということでした。
さらに大人になってから聞いた話では、家族の負の波動を受け取ってしまうのは、敏感な動物たちが一番先ということでした。
なので、家族が不仲だったり、けんかばかりしていたりするとそれが原因で動物たちが病気になって、そんな災いを持って天国に行ってくれるという話を聞きました。しかも災いは、3つも持っていってくれるのだそうです!
私は兄弟が多いので、何かといつも兄弟げんかや親子げんかが絶えず、それを動物たちは受け取っていたのかもしれません。よく動物病院に行っていたことを思い出します。
そして、私が結婚後に飼った老猫がご飯を食べられなくなった時に、動物の言葉がわかるアニマルコミュニケーターさんに見てもらったところ、「心配して、どうしよう!かわいそう!とオロオロと思うのではなく、楽しいよ、おいしいよ!という安心させる波動でご飯をあげてください」と言われたことがありました。
心配の波動よりも良い波動を送るというのは、母の言っていたことにも通じて納得でき、すぐに実践してみたところ、食欲のなかった猫が食べるようになったのです。
それからは夫とけんかをしても、猫や犬にも「大きな声出してごめんね」とちゃんと謝るようになりました。
犬や猫にもそんなケアが必要だよなと思ったのでした。
少し外出した隙に…
2021年に20歳で愛猫ギルが亡くなりました。ちょうど新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)していた時期でほぼ外出をしなかったので、私は付きっきりで介護をすることができました。
ところが、私が4時間ほどどうしても外出しなければならない用事ができてしまい家をあけたら、その時にギルは亡くなったのです。
「あれだけ出かけないようにしていたのに」と、悲しくて、悔しかったのですが、友人たちは、「猫は死に目を見られたくないというから、きっとマナに見られたくなかったんだよ」「自分で逝く時を決めているから、最善の時を選んでるんだよ」「体から離れると軽くて痛くないみたいだよ」などと慰めてくれました。
ずっと後悔しそうな出来事だったのですが、友人たちのその言葉に救われました。
楽しい思い出と共に過ごしたい
預かりボランティアとして一緒に暮らしていたニハチは、他の犬猫たちと同様に老衰で立てなくなってからは少しずつ弱っていき、だんだんと食べられなくなり、おしっこも出なくなり、最後は病院で亡くなりました。
この時も、「あれだけ介護をしていたのに……。毎日一緒だったのに……」と間に合わなかった自分を責めそうになりましたが、これまでに教えられた言葉を思い出していました。
そしてもうひとつ、妻を亡くした友人が一周忌を過ぎたころに言ったひと言が印象に残っています。
それは、「月命日に亡くなった日のことを悲しむのではなくて、もっと楽しかったことを思い出せるように、月命日を特別な日にするのはやめた」というポジティブなものでした。
ニハチだって、悲しくて悔しくてと泣き続けている私を見てもうれしくないですよね。
本当にその言葉にグッと来ました。それからは、雲をみては「あ!ニハチみたい!」と思ったり、ニハチのおもしろい行動を笑い話にしたりして、楽しい思い出を話すようになりました。
愛犬も愛猫も自分で決めて長い旅に行ったんだと思います。それなら旅立ちをきちんと見送ってあげたいですよね。
そして泣き続けるよりもまた会える日まで、楽しい思い出と共に過ごしたいですね。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。