老犬の預かりボランティアを始めて11年 いくつになっても動物と暮らしていたい
保護犬の預かりボランティアをする、インテリアデザイナーの小林マナです。犬や猫と暮らしやすい住空間をつくり、いまは保護猫1匹と、預かり犬1匹と生活をともにしています。最終回は「やっぱり動物と暮らしていたい」をお伝えしていきます。
老犬の「預かりさん」も高齢に
とうとう私も世の中でいうところの高齢者に近づいてきています。
というのも、動物愛護団体の譲渡対象者で「高齢者不可」というものがあって、60歳までとか、65歳までというのが最近は当たり前のようなんです。
私はあと2年で60歳なので、動物愛護団体の規定からすると高齢者の仲間入りなんですね。自分でも驚きです。
もし今後、犬や猫を引き取ろうと思ったら、早めの決断が必要になるということです。譲渡された犬や猫が子犬や子猫だった場合、そこから15年〜20年生きるわけですから。
飼い主も年を取り、80歳や85歳となっていきますから、譲渡できる年齢に制限があるのは当然です。
私が預かりボランティアをしているトイプーの「イチゴ」は、推定14歳。そして、うちの飼い猫は今15歳なので、もし犬猫たちが4~5年後に亡くなったら……私は、63歳くらい。つまり、そこで次の犬や猫を飼うかどうか決断を迫られる、または、その前に決めなければなりません。
ただし、いつまで経っても、私の気持ちだけは20歳ごろから変わっていなくて……。歳をとったからといって、動物を飼いたい気持ちがなくなることはないのですから、大きな問題です。
まだまだ飼い続けたい気持ちでいっぱい!
私の周りには動物好きがいっぱいいます。最近、新たに子犬や子猫を迎えた友人もいて、うらやましくて会いに行ったりしています。
その一方で、犬が高齢になってきた友人、犬や猫の介護をしている友人 、超高齢の猫を看取った友人もいて、中には「もう次は飼わない」と決めている人も出てきました。
まだ若いのに!とそんな友人たちを見ると考えてしまいますが、動物愛護団体の譲渡できる年齢制限があるので仕方ないとも思いがちです。
最近の私は、自分が高齢になった時に動物のいない生活ができるかどうか、疑問を抱いてしまいます。そして、不安もあり、弱気になって「動物はもう飼わない」などとも言ってしまうのです。
ところがある友人から、「マナさんはきっと隠居しないでしょ〜。何か動物のことを始めたら良いんじゃない?」「お世話をするのはだんだん大変になる年齢だけど、今やっているデザインのことと今までの動物の経験を生かしたら何かできそう!」と言われたのです。
そっか〜。何かできるかもしれないと急に思い始めたのです。
夢を持つことができるようになった!
そこで、高齢になってからも動物を飼い続ける方法を3つ考えてみました。
1つ目は、飼い主に何かあって飼えなくなった動物を、また引き取ってくれる動物愛護団体があると聞きました。その団体からの譲渡が条件だったり、引き取るには緊急性や重要性がある場合に限るといったことがあると思いますが、何かあった時に心強いです。
2つ目は、動物と一緒に入れる老人ホームに入所する。最後の最後まで一緒にいられますよね。
3つ目は、その2つを合わせたような新たな形ができないかなと思ったのです 。
どうにか自分でそんな施設を作れないものかと、急に思いついたのです。
簡単なことではないと思いますが、そんな話を動物好きな友人たちにしてみると、皆一同に「私もそんな施設に入りたい!」とニーズがものすごくあることがわかります。
これからの人生を、そんな施設作りにかけてみても良さそうだなと思ったのです。
私も動物たちから大きな恩恵を受けて生きています。動物も人間もWin-Winな形の素敵な施設を作ってみたいなと夢ができました。
そして、この連載は、実は最終回なんです。
文章を書くことが苦手な私にこのようなチャンスを与えてくださり、さらには文章の指導もしてくださった担当編集者の小見山友子さんにお礼を申し上げるとともに、編集部や読者の皆様にも厚くお礼申し上げます。
またどこかで、その続きの話をしましょう。
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