庭に現れた猫の親子 無事保護したもののさあどうする!? 慌ただしい日常がスタート

手慣れた先輩の腕の中でうっとりするしましまちゃん

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット作をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「とも」「もえ」と暮らしています。

 今回は、自宅に姿を現した子猫と母猫についてのお話、第5回、完結なるか!?

無事保護したものの…

 わが家の敷地で出産子育てしていた猫親子の保護顛末記、ゆるゆるとつづっていたら、気がつけばもう年末!今年最後の連載更新になってしまいました。

 急いで先に進みます!!

 Amazonで買った、アライグマ親子も飼えるほど大きいケージの片隅にちんまりと肩を寄せ合う猫親子。健康診断の結果は良好とはいえ、栄養不足は明らかでした。目はしょぼしょぼとして、体をつかむとあばらが浮き出るほどにガリガリです。きっと外の暮らしは想像を超えて熾烈(しれつ)を極めていたのでしょう。かわいそうに、たいへんだったね。

ケージの中で寄り添う親子マミコ、くろいこ、しましまちゃん

 しかし、やっと保護してあげたのだから、出来る限り幸せにしてあげるからね!と意気込んではみたものの、とーさんはといえば、先住のとも&もえを育てた経験こそあれ、こんな小さな子猫、そして子育て中の母猫のお世話は未知の体験……。一時が万事おっかなびっくり。もう、ちょっとケージをのぞき込むだけでも、3匹で一斉に「しゃーーーーーーっ」と威嚇され放題。触ろうと伸ばした手に容赦なくパンチが飛んできます。

 ひーーっ、びびりまくりっす……。

周囲の協力に助けられ

 そんなとーさんに、助け舟を出してくれたのが、僕の周りの猫育ての偉大な大先輩のみなさんです。もう、おろおろ、おどおど、見てらんないよ、とばかりに、支援物資や高栄養価猫缶、おもちゃにハンモックなどを手に、直接育児指導に来てくれました。ありがたや……。

 慣れないとーさんは、ちょっと威嚇されただけで思わず手を引っ込めてしまうのですが、先輩ときたら、威嚇や猫パンチをされても「ぜんぜん痛くないもんねー!」「平気だもん」と手を引くどころかさらにぐいぐいと触りにいくのには驚きました。

 そうこうしているうちに、猫の方も観念したようにじっと我慢して触られるようになっていました。もっともこれは高度な経験値があってこその技。これまで何十匹もの保護経験を通してその「間合い」を身につけたようで、「小林さんはむやみにまねしないようにしてくださいねっ!」と釘をさされました。

 なのでとーさんは少しずつ、グローブをつけた状態からちょっとずつなでていくことにしました。自分ペースで、焦らずに。ふーっつ(ため息)。

おそるおそるマミコにチュールをたべさせる。結構最初からよろこんで食べてくれました。しかしとーさんおびえすぎ

 そして、猫親子たちは、母猫「マミコ」、黒猫は「くろいこ」、キジトラの子猫は「しましまちゃん」と名付けました。あんまり本格的に名付けると情が移って手放せなくなりますよ、というアドバイスにしたがって、ぱぱっとね。

たっぷりの栄養と清潔なケージ

 今回、先輩から耳にタコができるほど言われたのが、猫たちの健康状態を良好にするためのさまざまな約束事です。まずは高栄養価の猫缶。通称「a/d缶」と呼ばれる療法食ですが、これを子猫たちにはぐいっと口の中に指で押し入れるようにして食べさせるのです(これがまた、簡単そうで難しいんだなあ)。

 栄養が足りていないと抵抗力が弱く、猫風邪などにもやられやすく、健康状態が不安定になってしまうそうで、しっかり食べさせることで体力をぐんぐん回復させていくのです。体調が安定するまではこのa/d缶をメインに食べさせることにしました。

栄養価の高いa/d缶で体力をつけようね

 次がケージ内部の清掃です。真菌とも呼ばれるカビの感染症はとってもやっかい。局所の皮膚病はもとより全身感染、さらに深刻な病原にもなるそう。徹底的に予防するためにも、常にケージ内の抜け毛は取り除き、トイレを清潔に保ち、猫用ベッドなども洗濯して日光にあてるなど、こまめな掃除が必要なのです。

安心・安全のための隔離、のはずが…

 そして、先住猫、犬との対面ですが、こちらも伝染病などのキャリアーでないことを確認してからでないといけないし、いきなり犬が現れたら、ただでさえ保護されたばかりで精神的に不安定な猫たちはパニックになること必須ですから、当面は隔離が原則。

 なのに、気がついたらうちの先住犬・福が親子猫部屋に潜入してくるではないですか!!おいっやめろ!

福が勝手に入ってきてしまった……初対面時

 福はドアノブを器用に操ることができ、部屋の出入りは自由自在。どうやら、はじめて見る子猫に興味津々のようで、すぐに部屋に入ってきてしまうのでした。結果的には想像したほどはパニックにもならなかったからよかったのですが……。

日々は一気に慌ただしく!

 猫親子が小林家にジョイン(ベンチャー企業家風に言ってみた)したことで、一気にとーさんの日々の忙しさは増し増しに。朝も1時間以上早起きが必須。5匹と1匹のトイレ掃除やご飯のお世話はまあ想像以上に楽しくもたいへんっ!!

 さらに、福、とも、もえには申し訳ないけれど、できる限り親子猫との時間をとって触れ合うことで人慣れさせ、今後の新しい飼い主さんへの譲渡をスムーズに行えるようにしなければなりません。とーさんは大きなケージに入って家時間の大半を過ごすことになったのです。

とーさんはできる限りの時間をケージの中で過ごすことに

 さあ、並行して新しい飼い主さん探しのスタートですが、これがまたたいへんなのですが、こちらについては次回に!!

 結局年内にまとまりませんでした。すみません!!!

 では皆様よいお年をお迎えください。

(次回は1月21日公開予定です)
【前の回】庭で保護した猫の親子 ハナコプロジェクト連携動物病院で診療もスムーズに

小林 孝延
福井県出身。編集者。月刊誌『天然生活』創刊編集長、『ESSE』編集長などを歴任。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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