信じて乗り切る8月 亡き愛犬「ピン」がみんなのことを守ってくれている
『僕のワンダフル・ジャーニー』という映画を御存知ですか? たくさんの“生まれ変わり”を経て、元・飼い主のイーサンとの再会を果たした犬の「ベイリー」のお話です。
距離が縮まっていくハンターと夫
以前、飛行機の中でこの映画を観た夫が、「絶対、泣けるから」と言い、ビデオで観たのは一昨年のことだったと思います。
その頃、夫はまだ「ハンター」とは仲良しとは言えなかったのですが、「マル」がやってきてから、ハンターは徐々に夫との距離を縮めつつありました。
そしていま、ハンターは、夫がソファーでくつろいでいれば夫の腕や脚に顔をのせて一緒にくつろぎ、夫が出かけるのを察知すれば玄関に飛んで行き、夫の手のひらからトリーツを食べます。その都度、「見て、見て!こんなことしてくれてるよ」「ハンちゃんは、ほんとにかわいいね~」とデレデレしながら喜ぶ夫。マルの出現によって、我が家の順位が変わったのでしょうか。劇的……という言葉がふさわしいぐらい、ハンターは夫になつき始めたのでした。
亡き「ピン」にそっくりのハンター
そんなハンターの姿は、亡きピンにそっくりです。もともとハンターは、ピンが旅立って約5カ月が経ち、夫と共に出向いた譲渡会で、「ピンに似ている」ということで迎えることを決めた保護犬。
ですから、そもそも顔や身体の大きさがピンと瓜ふたつなのです。男の子と女の子という違いはありますが、ビビりで犬見知りな性格や、社会性のなさがそっくり。このところ天候が不安定で昼夜を問わず大きな雷が鳴ることがありますが、もっとも怖がるのはハンター。「ココ」やマルも最初のうちこそ吠えますが、その後はドーンと構えていて、微動だにしません。でもハンターは雷鳴に合わせて、ずっと吠えています。
「神宮の花火にピンを連れて行ったとき、まだ花火が見えない内からピンが震えだして、結局、見ずに帰ったよね」という思い出話をする夫。「そうだったね」と私。恐らく、ハンターも花火を観に行くのは無理だと思います。
私がピンとハンターをそっくりだと感じるのは、パソコンに向かって原稿を書いているときです。私の足元に寄って来ては「抱っこ、抱っこ」とせがみ、我慢できずに、膝の上へポ~ンとのってくるハンター。その後も、いつまででも私の膝の上にいるところも似ています。
抱っこされるのも大好きで、特に好きなのは、私に抱っこされてバルコニーから外の匂いを嗅ぐことです。そのときの抱き具合とか、鼻をクンクンさせる様子なども、ハンターはピンにそっくりです。
犬たちの余命を考えてしまう8月
最近とても心配なことがあります。それは、この1年ほど、夫がハンターを溺愛しすぎていることです。私にとって、大嫌いな8月が訪れ、今月はココの16回目の誕生日(くしくもピンの命日と1日違い)もやってくることから、どうしてもワンコたちの余命を考えてしまいます。もしも、ハンターに何かがあって、虹の橋を渡って行ってしまうようなことになったら夫は大丈夫だろうか……と。
ピンがみんなのことを守ってくれているはず
そして、ピンのことをよく知るココには、いよいよ“その日”が迫っているようにも感じます。実は先日、少し元気がないような気がしてココを病院に連れて行きました。レントゲンを撮っていただいたら、肺のあたりに薄い影と、黒い点が見えました。10日ほど様子を見て、再びレントゲンを撮っていただいたところ、影は薄くなり、黒い点は小さくなっていたのですが、先生からさらなる検査をするか否かの確認がありました。高齢ゆえ全身麻酔をかけるにはリスクがあります。そして脳裏をよぎるのは、やはりピンの闘病のことで……。
私は先生に「もしも、ココに何かがあったとしても、延命治療を選ばないと思います」と告げました。「理由は……」と続けようとしたら涙が出て来てしまい、言葉にもつまってしまったのですが、以前、ピンの最期について伝えていた先生は、「わかりました」と言ってくださいました。ピンとは異母姉妹のココ。そして前回、書いたように、ピンとココを私に会わせてくれた沖縄のブリーダーさん『ハウスドッグ』の島袋和則さんもココを見守り、セカンドオピニオンとしてアドバイスをくださっています。
そして何より、ハンターの姿を借りて、ピンがみんなのことを守ってくれている……。そう信じて、8月を乗り切りたいと思います。
(次回は9月13日公開予定です)
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