すぐにご飯を食べなくなる愛犬「福」 犬ってこんなに好みが激しいの!?

犬とフード
最近のご飯。トッピングがだんだん増えていく……

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「トモ」「モエ」と暮らしています。今回は、福のご飯についてです。

(末尾に写真特集があります)

食いしん坊の犬がうらやましい

 今、とーさんは秋に発売する保護犬の本の制作のために、同じく保護犬を家族に迎え入れた仲間たちとともに日々ミーティングなどをしております。

 そこで、毎度盛り上がる話が犬のご飯問題です。大なり小なりみなさん苦労していて、トッピングにこだわったり、フードにこだわったり、手を変え品を変え、犬たちの食欲を刺激しようと四苦八苦しています。

 しかし、うちの福よ……。

 もうね、ほんとにすぐ食べなくなる。こんなに犬って好みが激しいの?っていうくらい。これはここ何年かのずっと悩みの種。

 しばらくは鶏胸肉をゆでて、そのおだしと肉を小さくカットしたものをトッピングにしていたのですが、だんだん食いがわるくなり……。その後、鶏ひき肉をいためたものにしてみたり、そこに卵をまぜてみたり、あれやこれやとやってみますが、だいたい数日で飽きてしまいます。

 フードそのものを変えても、最初の1日は喜んで食べるものの、以降は非常に感じの悪い態度で、嫌そうに食べるのです。

犬と魚のぬいぐるみ
とーさんは釣りをするのでマグロやカツオ、サーモンもよく与えるのですがあまり好きじゃないみたい

 そもそも、福は警戒心が強く、他人が手にしたおやつに口をつけなかったり、なかなか難しい性格の持ち主なのですが、毎日のご飯に関しても相当こだわりが強い。どんなものでも掃除機のように飲み込んでしまう食いしん坊の犬が本当にうらやましいと思うのです。

最終兵器を投入!?

 最近はもう困りに困って最終兵器投入!とばかりに、インターネット広告でよく見かけたソーセージ状のものを買ってトッピングに。このフード、とーさんがビールのつまみにしたいと思うほど食欲をそそるいい香り!!ちょっとつまみ食いしちゃおうかな(笑)

 福もけっこう気に入ったようでとっても喜んで食べてくれました。

 ところが1カ月を過ぎた頃からだんだん、いつもの「なに?ああ、これか」みたいな態度に戻ってしまいました。

 やれやれ……。

 とはいえ、人がご飯をたべていると「くれくれくれ」とまとわりついてくるし、おやつは喜んで食べるので、これはもう完全にわがままなのです。

 ハウツー本には「食べなければ、すぐにご飯を下げて。おなかがすくまで与えないのがいい」という記述もよく見かけますが、福の場合、空腹になると胃液を吐くのです。これをベッドの上やソファでやられると、もうたいへん。後片付けでこちらがダウンしてしまうので、それも無理。なんとかすこしでも、おなかにご飯を納めたいと思っているのです。

口にヨーグルトをつけた犬
ヨーグルトは大好き。口の周りについてるからなめたのがすぐにバレます

 そんな折、先日、取材でお邪魔したおうちで、鶏胸肉を煮たものを白ご飯にかけてあたえているのを見かけました。もちろんわんこたちは大喜びで食べています。だって人間が食べてもおいしそうですもん。これは目からうろこのできごと。白ご飯は犬にたべさせてもいいのか!と。

 実際、調べてみるとフードの原料にご飯が使われていることが多いようです。

 このおうちの場合は逆にときどきフードを与えると「なんだこのおいしいのは!!!!」とそれこそいつもの何倍もの勢いで食べ尽くすそう。

 それはそうですよね。絶対にフードの方が、各社が犬の好みや栄養価を研究し尽くして作っているわけなので、おいしいに決まっている。でも、そのごちそうが続くと食べ飽きてしまうわけで。どんなに焼き肉が大好きでも毎日はきつーーーっ、てなって、お茶漬けが食べたくなるのと同じ理屈ですよね。

鹿の肉も骨も大好き!

 そんな福でも目の色が変わるのが鹿です。肉も骨も大好き。よく鹿はおなかを壊しやすいなんて話も聞きますが、脂肪の部分を取り除いてやれば、うちの場合は全く大丈夫。その脂肪分も本当にごくごく少量で、ヘルシーそのもの。さらに鹿の骨をかじらせておけば、歯磨きすら不要。歯についた黄色いやつもきれいさっぱり落ちてくれます。

 幸いにもとーさんの先輩が北海道で自給自足のような暮らしをしていて、その先輩から鹿肉を入手することができるので、いい鹿が手にはいると脚丸ごと!みたいな感じでおくってもらって、部位ごとに切り分け、人間と犬と両方のおなかを満たしております。

鹿の骨。ゆでて与えます

 犬のご飯については、健康に直結するものでもあるので、飼い主のみなさんそれぞれこだわりもあるでしょう。ぜひ、みなさんのご意見も聞いてみたいものです。

 わが家のフード問題もまだまだ解決には至っていませんが、今後もいろいろと試していきたいと思います。

◆小林さんが発行人を務める月刊誌『天然生活』のサイトはこちら

(次回は8月21日に公開予定です)

小林 孝延
福井県出身。編集者。月刊誌『天然生活』創刊編集長、『ESSE』編集長などを歴任。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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