猫は家の中だけの暮らしで幸せなの? 楽しい毎日を過ごさせてあげるためにできること

 最近は猫はおうちの中で飼いましょう、お外に出さないようにしましょう、と言われます。実際にうちの猫たちも100%おうちの中にいますし、お友達たちも同じように猫をうちの中だけで飼っています。

家の中だけで猫は幸せ?

 でも、本当に猫はおうちの中だけでの暮らしに満足なのでしょうか?犬は散歩に行きます。昔は猫をお外に定期的に出して散歩にいかせていた記憶のある方も多いかもしれません。

 ここ最近急におうちの中だけ、と言われ、マナーであることはわかりますが、これは本当に猫にとって幸せなのか、ちょっと疑問に思っていらっしゃるかたも読者の中にはいらっしゃるのではないかとおもいます。

箱の中の猫
家の中だけで幸せ?

「おうちの中で飼うのがあたりまえでしょう」、と言われそうで、なかなか人にも聞けません。だから今日は猫は家の中だけの暮らしで幸せか、の疑問にお答えしようと思います。

外では病気や事故の心配も

 最初に、なぜ猫を外に出さなくなったのか、の疑問にお答えしましょう。社会性のある猫たちは外に出て、他の猫とコミュニケーションをとり、猫の集会みたいなことも行い、いろいろな刺激を受けちょっと冒険遊びもして、昔の猫たちは外の暮らしもまんざらではなかったと思います。

 しかし、猫たちが外に出ることで、ご近所のお庭の花壇や畑が荒らされたり、排せつされたり、猫同士のけんかがうるさかったり、恋の季節ではスプレーと言って臭いおしっこがまかれたりしていました。猫を飼っていない家庭には迷惑がかかっていました。

 また、猫の立場からの問題としては車の下にもぐりこんだり、道路を飛び出してしまうので交通事故の心配があったり、猫同士なめあったり、けんかして噛み合ったりしているうちに病気が移されたり、ノミやダニがついたり、そのノミやダニが運んでくる病気にかかったり、と問題は多くありました。

 そんなことから外にいるよりもおうちで暮らさせてあげたほうが健康に長生きしますし、ご近所トラブルのもとにもならないですよ、と意識が変わってきたのでしょう。

ソファの上の猫
家で暮らした方が健康で長生き

 私も獣医師として、おうちの中で猫は飼育していただきたいですし、実際うちの猫たちもおうちの中で100%生活させています。

 では、おうちの中だけでは、刺激が少なくて、広い世界を経験できなくてかわいそう、どうしたらいいの?と考えてしまいます。

 だから私たち猫の家族にできることは、お外の危険に合わせずに、楽しい毎日を今人間も実行中のStay Homeで過ごさせてあげること、ではないでしょうか?

猫のために出来る工夫はいろいろある!

 まず、猫がストレスをあまり感じずにおうちで過ごさせるには、いろいろなところで工夫できます。

(1)トイレは大きくしましょう。畑や花壇に負けない広く大きな、きれいなトイレを設置してあげましょう。トイレの詳細な話はまた本シリーズの後半でお話しします。

(2)ゆっくり休める場所、隠れる場所を準備しましょう。のんびり窓の外を見ながら休めるスペース、騒がしくないスペース、など寝床を置く場所も考えて、寝床はふかふかのものを選んであげてください。隠れ場所や寝床として、キャリーを置いておくのもよいと思います。キャリーを使って病院に行ったり、災害時は一緒に逃げることになりますので、キャリーに入ることはいいこと、と覚えることができます。

(3)登れる場所を準備しましょう。猫はちょっと不安になると、上のほうに登るので、キャットタワーでも本棚のような家具でもなんでも結構です。猫が登って移動して上に休む場所があるような居場所を作りましょう。床を歩かずにトイレや水飲み場に行けますか?上に上がってから寝床に行けますか?そんなポイントが大切です。

ジャンプする猫
猫と一緒に遊ぼう

(4)一緒に遊ぶ時間を確保しましょう。実は飼い主家族が大好きな猫が多いと思います。一緒に遊んであげる時間をとってストレスを一緒に解消してください。

(5) 頭を使わせると猫は張り切ります。外でもほかの猫とコミュニケーションをとったり、獲物を探したり、危ない状況で頭を使って命拾いできたり、いろいろな冒険をしているはず。家の中では命がけの冒険はないかもしれませんが、頭を使って猫生を楽しませてあげられます。猫におやつを使って何かトリック(芸)を教えるのも楽しいと思います。

 うちの猫は「ハイタッチ」と「おすわり」、「まわれ」ができます!実は教える方法は犬と同じでおやつを報酬にして教えますが、猫でのコツは、朝ご飯の前などおなかが少しすいているときに行うことと、おやつは1回1回の報酬は少なく、小さくあげることです。

 猫に豊かな暮らしを提供するための具体的な案は、「まなびばsippo」でも映像を使って具体的にお話ししようと思います。ぜひ猫が幸せを感じるおうちづくり、取り組んでみてください。

【前の回】 猫だって人間の家族が大好き 一緒に遊んでほしいし甘えたい 

(次回は9月13日に公開予定です)

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入交 眞巳
獣医師。どうぶつの総合病院・行動診療科主任。旧日本獣医畜産大学卒業後、米国パデュー大学で学位取得、ジョージア大学付属獣医教育病院獣医行動科レジデント課程を修了。アメリカ獣医行動学専門医の資格を有する。

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この特集について
ねことの暮らし相談室
 獣医師で米国獣医行動学専門医の入交眞巳先生が、どうやって猫と幸せに暮らすかのヒントとともに、猫たちの困った行動への疑問に答えていきます。
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