卒業した猫が飼いやすいと評判 「あさこ幼稚園」の猫の慣らし方
大阪府で多くの猫の保護・譲渡をしている辻本麻佐子さん。譲渡するまで大切に猫を育てており、辻本さんが世話した猫は飼いやすいと評判で、「あさこ幼稚園」という異名まで持つ。保護したばかりの猫や、譲渡してもらって慣れる前の猫に、どのように接したらいいのか、辻本さんに聞いてみた。
とにかく猫をこねくり回す
――野良猫を保護したら、まず、どう接したらいいのでしょうか。
野良猫が家に来てすぐの時には、家の中でフリーにせずに、ケージに入れます。シャーっといおうが、かんでこようが、とにかくあちこちなでて、こねくり回すんです。彼らは、恐怖心から触られたくないだけで、触られるのが嫌いなわけではありません。
ごはんにひもづけてこねくり回すのもおすすめです。ごはんを用意したら、すぐに与えずに、ごはん前にこねくり回します。なでたら、ごはんを与えます。なでられるといいことがあると思わせるんです。ごはんを食べている間も、背中をなで続けましょう。人になれていない猫は、とりあえず逃げるので、隅っこに追い詰めたままでなでます。ごはんを食べた後もこねくり回します。
――人が近くにいたら食べない猫もいるのでは。
その場合は、ひとまず退散します。猫は、食べ終わると、毛づくろいをするので、そのタイミングでなでます。なでられたら気持ちいいと思うと、人が好きになっていくのです。
猫は怒らず慣れさせる
――思うようにいかないこともあるのではないでしょうか。
私は猫が何をしても怒りません。うんちを踏んだまま部屋の中を歩いたり、物を落として割ったり、人間の食べ物を食べたり、ティッシュの箱から中身を全部出したり、猫はいろんなことをします。
でも、保護した猫は、ひたすら委縮して固まっているので、そうしたアクションを起こしてくれたことが嬉しいんです。ですから、ずっと可愛いなとか賢いなとか話しかけることにしています。
猫のケージの前に布団を敷いて寝るのもいいですよ。無防備な人間の姿を見せると、安心するんです。
猫の前で素早く動かない
――猫と接する時に注意されていることはありますか。
絶対に素早く動かないようにしています。手を出す時も、引く時も、かまれそうになっても、すぐにパッと手を引いたらだめなんです。猫が同じように反応してしまいます。
人間が猫を怖がって躊躇するのもNGです。猫は、まるで獲物との距離感を測っているように感じてしまうんです。視線を外して、躊躇せずに、すーっと触ります。かまれても痛くないように、台所用のグローブをするといいでしょう。
もし、どうしてもすーっと触れない場合は、タオルをガバっと被せて、暴れていても、なでましょう。
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