エサやりと誤解され、「保健所へ」と言われて… 子猫を保護した
道ばたで偶然見かけた人懐っこい野良の子猫。飼うつもりもなかったが、エサやりと誤解され、「保健所に電話する」と言われて、保護することに。子猫はたいへんな甘えん坊に成長した。
通勤途中、「ニャアー」という鳴き声がして、歩道沿いの植え込みを見ると、子猫1匹いた。2017年3月のことだった。大阪府に住む栗本さんはその時は、飼う気はまったくなく、「子猫がいるな」と思っただけで通り過ぎた。
その後も同じ場所を通ると、子猫は空き地でピョンピョン飛び跳ねて遊んでいた。近所の家の軒先でエサをもらっているようで、もう一人、おじいさんも猫にエサをあげていた。
ある日、栗本さんが子猫の写真を撮ろうとすると、近くの家の奥さんから「連れて帰れ」と怒られた。後で分かったのだが、その家の子どもが猫アレルギーで、神経質になっていたようだ。栗本さんがエサを与えていると思ったらしく、「保健所に電話する」とまで言われた。
声をかけると、子猫はニャーと返事
子猫に「うちの子になる?」と聞くと、「ニャー」と答えた。もともと「おはよう」と言うと、「ニャー」と言うような子だった。
猫好きの人が集う居酒屋で相談すると、「殺されるんなら、引き取ったら」と言われた。住んでいるシェアハウスでも、猫はネズミを退治してくれるから、飼っていい、ということになった。
そこで栗本さんは、友人にキャリーバッグを借りて、子猫を抱っこして捕獲した。子猫は生後6ヵ月くらい。「つむぎちゃん」と名前をつけた。最初は猫好きな人に譲ろうと考えていたいが、もらい手が見つからず、自分で飼うことにした。
すっかり甘えん坊な猫に
つむぎちゃんは家に来た初日は、ごはんも食べず、水も飲まなかった。2日目、会社から帰って「ただいま」と声をかけると、「ニャアー」と返事をしてくれた。
ケージから出して、一緒に寝ようと思ったが、深夜2時、3時、4時と“運動会”が繰り広げられた。幸い隣も階下も空室だったので、苦情は出なかった。相手にしないでいると、そのうち夜は眠るようになったという。ただし、相当な甘えん坊だ。
「かまってほしい時や甘えたい時は、耳に口を入れて、『ニャー』と鳴くんです。一度帰宅してから外出しようとすると、膝の上に乗ってキスしてくるんです」
つむぎちゃんは、すっかり栗本さんのパートナーになったが、野良猫時代にエサをあげていた人やおじいさんは、今でもキャットフードを渡してくれるという。
【関連記事】 犬の散歩途中に見つけた甘え上手な子猫 保護主はメロメロに
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。