病院帰りの相棒猫に「カーッ!」 くっつきたい猫と、離れたい猫
我が家に住む2匹の猫たちはともに8歳、我が家に来て8年です。見た目も性格も生まれた環境も違いますが、とっても仲良し。
……のはずですが、仲が悪くなることが、年に数回あります。仲が悪くなる、というより、サビ猫の「あんず」が一方的にキジトラの「モモ」を嫌うのです。
病院で疲弊してしまった猫
あんずは、天真爛漫で人懐こく、遊びが大好きで優しい性格の猫なのですが、モモのことをどうしても受け入れられないときがあります。
先日、モモが動物病院から帰ってきたときがそうでした。
病院から帰り、飼い主がモモの入ったキャリーバッグを下し、ジッパーを開けてやると、すぐにバッグから飛び出してきました。
モモは病院で体重を測っただけで、あとは飼い主と獣医師が話していて、何も嫌な思いはしていないはず……という場合でも、精神的に疲弊してしまうのです。外出が嫌なのか、病院が嫌いなのか……たぶんその両方なのでしょう。
病院に行くと、バッグに入れば家に帰れることが分かっているので、自らバッグに無理やり入ろうとするところがカワイかったりします。
相棒猫に慰めてほしいのに…
今回もいつものようにモモが病院から帰って、バッグから出てくるとすぐに、あんずのいるこたつの下に行きました。
精神的にへとへとになって病院から帰ってきたので、落ち着くいつものこたつで癒され、家族のあんずに慰めてもらうために……。
すると、あんずは「カーッ!」と言って、モモを追い払ってしまいました。
あんずは、モモに病院のニオイがついているのが嫌で、モモを“いつものモモ”として受け入れることができません。
モモは定期的に病院通いがあり、あんずはほとんど病院へ行かないので、余計に慣れないニオイが怖くて不快なのだと思います。
あんずに追い払われたモモは、しょんぼり。でもこたつの下に入りたいので、オロオロしてその場にとどまります。
すると、あんずは“そっちが来るなら、アタシが出ていく!”とばかりに、こたつを出てキャットタワーの上に逃げてしまいました。
モモは、こたつも好きだけど、あんずのことが大好きなので、寂しそうな顔でこたつの下で丸くなっていました。
「モモちゃ~ん、寂しいねぇ……」
そう言ってモモをなでて慰め、あんずに声をかけました。
「あんず、モモちゃんかわいそうでしょ! ちょっと心狭いよ」
あんずは“だって、いつものモモじゃないもん……フンだ”みたいな顔で、キャットタワーの上から見下ろしていました。
1日ではとれない?病院のニオイ
モモが病院から帰るといつもこんな感じで、翌日にはいつも通り仲良く一緒に寝ている2匹ですが、先日は翌日になっても、あんずがモモを避けて暮らしていました。
今回は病院で色々な検査をしたので、モモは1時間くらい病院にいたのです。なので、病院のニオイが取れるのに1日では済まなかったのでしょうか。
あんずに避けられると、モモは本当に寂しそうにします。モモがお風呂に入ったときも、あんずはモモを避けるし、モモがエリザベスカラーをしていたときも、モモが近くに来ると「カー!」と怒っていました。
今回は病院から帰って2日半くらい経って、ようやく2匹で寝ているのを見かけるようになりました。
あんずは、モモを避ける理由がないときでも、1匹でいたいことがあるようですが、モモはできるだけあんずとくっついていたいのです。
それは、真夏の暑いとき(冷房はついていますが)でも同じなので、モモは寂しがり屋なのか、あんずのことがよっぽど好きなのか……。
あんずがニオイの変わってしまったモモを受け入れないのは、猫として当たり前で、心が狭いとかでなく、仕方がないのかな……。
とも思うのですが、あんずだけがお風呂に入ったとき、モモはあんずを避けることがなかったので、やっぱりあんずの心が狭いのでは……と思ったりもします。
8年も一緒に住んでいる家族でも、受け入れられない部分がある、という猫の主張って、なんだか人間にも当てはまるような……そんな気がしています。
(ヤスダユキ)
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