飼い主が病気! “念”を送ってくれる猫、要求が強くなる猫
ペットの犬や猫は、飼い主が病気のとき、見守ってくれたり、寄り添ってくれたりする、という話はよく耳にします。
我が家の猫らも、飼い主の体調が悪いときは、心配そうに顔をのぞき込んできたり、そばに来て体を温めてくれたりしていたものですが……。最近はちょっとだけ違います。
回復祈り、念を送ってくれる(?)モモ
先日、私の中では、空前絶後、超絶怒涛の風邪をひいてしまいました。風邪の症状すべてがフルパワーで襲ってきて、昨年かかったインフルエンザよりも格段に辛い大風邪でした。
自分の身の回りのことをするにもフラフラで、マスクをして咳込みながら部屋を歩いていると、まずキジトラ猫のモモが心配してくれていたようでした。
とはいえ、モモの『心配』は、甘え声を出しながら飼い主の周りをうろつくことなので、本当に心配してくれているのか、甘えているだけなのかは、よくわかりません。
でも、きっと心配してくれていたんだと思うのです。なぜなら、モモが鳴くのは、私が部屋をウロウロしているときだけで、私が座るとピタっと止まっていたからです。
用事を済ませて座ると、モモはそばに来て、少しだけ離れたところで体を横たえて私を見守ります。まるで「ゆっくり休んでいたほうがいいよ。心配だから、あまり動かないで」とでも言われているようなのです。
夫が言うには、風邪の時に私が寝室に引っ込むと、数分間はドアの前にたたずんでいたそうです。鳴くわけではないので、私には全く分からないのですが、ドアの前で「回復しますように」と、念を送ってくれていたような気がしています。
心配してくれない(?)あんず
一方、モモと違って、サビ猫のあんずの場合は、甘え声を出してうろつく場合は、必ず何らかの“要求”があり、それが満たされない限り鳴き続けます。
今回の大風邪のときも、変わらず“要求鳴き”を続けていました。
かつてのあんずは、私が高熱のときや、気持ちが沈んでいるときには、そっと寄り添ってなぐさめてくれていたものですが、今回の風邪では、“要求鳴き”を緩めることなく、フラフラの私を追い詰めてくれました。
オヤツにはまだ早いと分かっていても、とりあえず鳴いてみて、もらおうとするところが普段からあるのですが、いつもなら「オヤツはまだでしょ!」とか「オヤツよりもあそぼ―」と言って体をなでてごまかすこともできるのに、体調が悪すぎると何も考えられず、ただただオヤツをあげて応えることしかできず、つい甘やかしてしまいました。
私がテレビの前で休もうとすると、モモは見守ってくれますが、あんずは耳元で激しく鳴いたり、膝に乗って“かまってアピール”をしてきたりするので、無視することはできません。
遊ぶのは無理だったので、手っ取り早くオヤツをあげてしまった私が悪いのですが、それに味をしめたあんずは、その後もよく鳴いていました。
少しくらいワガママでも良いよ
今まで、飼い主が病気のときは静かにしてくれていたあんずが、ここまでワガママになってしまったのは、オヤツがもらえるからだけではないように思います。
赤ちゃんの登場によって、ここ1年で少しワガママになったのです。飼い主が風邪をひいたからって、気遣う余裕なんかないのでしょう。
それより、風邪を引いたことで、私と赤ちゃんが離れる時間が少し増えたので、ここぞとばかりに、かまってほしくて鳴いていたんだと思います。
赤ちゃんが産まれたばかりの頃より、かなりあんずのことを優先して、かまっているつもりでしたが、あんずがワガママを言わなくなったときこそ、あんずの心が安定して満たされたときなのかもしれないと考えさせられました。
まだまだ、ワガママ言って、甘えても大丈夫だよ、あんず…。
風邪が良くなってきた今は、あんずは“要求鳴き”が格段に減りました。理由はよくわかりません。賢くて過敏なあんずの気持ちを理解するのは、とても難しいです。
(ヤスダユキ)
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