体重4倍に成長した子猫 先住猫をガブッからペロ~ンの関係に

子猫「はっぴー」が我が家に来てから8か月。わずか1キロほどだった体重は4倍強になり、成長し続けている。それに合わせるように、先住猫「イヌオ」との関係も変わってきた。最初はハラハラすることもあったが、今ではすっかりお互いを認め合うようになった。
◇ ◇
「はっぴー」は昨年8月、やって来た。その日、2匹は互いに「シャーッ(あんた誰)」「シャーッ(そっちこそ何だよ)」と威嚇し合っていた。
最初こそシッポを垂れて浴室に隠れた「イヌオ」だったが、3日目くらいからケージに近づき、1週間もすると、シッポをゆっくり動かし「はっぴー」をあやすようになった。

「さすが女子、母性だねえ」と感心した。だが、「はっぴー」のほうは、甘えるというよりは、大きな獲物を見つけたかのように興奮していた。
好奇心いっぱい、“ヤッホー”というかのように「イヌオ」に飛びかかり、首のあたりをガブガブと噛む。「イヌオ」はされるがままだ。
私が「こらこら」「だめ」というと、その声を面白がるように、また首に抱きついてガブ、ガブ。いちいち制止する私を見て、猫を何匹も飼う友人からは「甘噛みだよ、遊んでいるんだよ」と言われた。
その頃「はっぴー」の体重は、「イヌオ」の5分の1ほど。「イヌオ」が本気を出せば、「はっぴー」はふっとんでしまうだろうが、「イヌオ」は何もしない。じっと動かず、しばらくすると、小さく声を出して離れていく。その繰り返しだった。

だが、ある日、ふと気付いた。
「イヌオ」は追い回されようが、しつこく嚙まれようが、必ず自分から「はっぴー」に近づいていく。そしてゴローンと横になるのだ。「はっぴー」がケージに入っていれば、ぐいぐいと背中をすりつけんばかりだった。
「イヌオ」は昨秋で14歳になった。2年前に先住の猫が亡くなってから、寝る時間が増えていたが、「はっぴー」が来てからというもの、運動量が増え、食べる量も増えた。久しぶりにトットットッと走る姿も。若い猫がやって来て、ちょっと活発になったように見える。
以前、若いメス猫が来て、急にやる気がみなぎったオジサン猫に会ったことがある。その逆。オバちゃん猫が、やれやれと言いながらも、若い坊やに刺激を受けているようだ。年の差ゆえにテンションや動きに違いがあり、戸惑いつつ見守っていたが、いつしか「はっぴー」が「イヌオ」の存在を認めるように、“ガブッ”ではなく、“ペロ~ッ”と舐めるようになった。
「あらー、はっぴーくん、すごいね」
秋が深まる頃には、「イヌオ」をすっかり仲間と認めたようで、そばにいくと、必ず頭や背中を舐めるようになった。時には、がっと両手で抑え込み、“俺が毛を整えてやるぜ”と言わんばかりに丁寧に舐めてあげていた。

そして、つい最近、こんなことがあった。
夜、寝ていたイヌオが突然、むせたようにケフケフと咳こんだ。驚いて近寄ると、「はっぴー」もすぐさま棚から飛び降りて、「イヌオ」をのぞきこんだのだ。咳は一時的なもので、すぐ治まったが、「はっぴー」はそれから「イヌオ」を労わるようになった。
「イヌオ」は10歳を過ぎてから年に2回、全身の検査をしている。12月の検査でも、ストレス等による変化はなかった。「いい感じですね」と獣医さんにもいわれた。
年が明けた。今では2匹で狭い所に入り込んで仲良く一緒にいることもある。そんな姿に心を緩ませながら、思うのだった。
「はっぴー、あけましておめでとう。イヌオちゃん、これからもよろしくね」
新しい年、また2匹と一緒に、楽しく生活していこう。
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