7歳のミニチュアダックス 時々、てんかんのような発作が…

(写真は本文と関係ありません)
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  • :7歳のミニチュアダックスフントが2年ほど前から時々、てんかんのような発作を起こすようになりました。普段は元気ですが、発作の頻度が高くなっている気もしており心配です。(大阪府・女性)

     

    :てんかんは、どんな犬にも起こりうる、珍しくない病気です。先日も全身けいれんを起こして失禁するという、てんかんの典型的な症状を示した柴犬(しばいぬ)について、相談を受けました。


    特発性と症候性の2種類があります。特発性は遺伝的な要素が関係していると見られていますが、原因はわかっていません。予防ができず、突然発症します。一方で症候性は、事故で脳に障害を負ったり脳腫瘍(しゅよう)ができたりといった脳疾患にともなって起こります。


    いずれの場合も、落ち着きがなくなったり、口をもぐもぐさせたり、一点を見つめ続けたりといった行動が前兆となります。続いて起きる発作は、全身に及ぶ大発作と、後ろ脚だけなど身体の一部がけいれんする小発作にわけられます。数分間で回復するケースがほとんどで、小発作は見過ごされることも多いです。


    症状が見られたら、動物病院で検査を受けて下さい。てんかんだと診断されれば、一般的に投薬治療を行うことになります。特に特発性の場合、発作が完全になくなることはまれで、長期にわたる投薬が必要になります。抗てんかん薬のなかには肝臓に負担をかけるものもあるので、獣医師とよく相談しましょう。


    なお、何も治療をしないでいると発作を起こす頻度が高くなります。症状も重くなり、1回の発作が30分以上にもなる場合には死に至る危険性も出てきます。

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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この連載について
診察室から
動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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