しつこいのはイヤだニャ! 攻撃前に猫は「警告」を出している
猫は飼い主になでられている最中に、突然かみついたり引っかいたりすることがあります。望まないタイミングでなでられたことがきっかけとなる場合もありますが、自分から甘えてすり寄って来たにもかかわらず、なでているうちにかんできたりします。この際、最初は気持ちよさそうになでられていることも多く、「愛撫誘発性攻撃行動」と呼ばれることもあります。
多くの猫は、あまり長い間、抱かれたりなでられたりすることを好みません。短時間であれば楽しんだり我慢したりしますが、限界を越えるとかみついたり、猫キックをしかけてきます。なでられることを楽しむかどうかは、なでるタイミングや部位によっても違いがあります。頭部や喉のあたりをさわられるのは好きで、比較的長い間なでても大丈夫です。ただし腹部や足先などは短時間でも嫌がり、かんだり引っかいたりする場合が多いでしょう。
なでられて攻撃的になるかどうかは個体差が大きく、短時間でも抱かれたりなでられるとかむ子もいれば、長い時間でも平気な子もいます。
特に子猫のときからあまり人が触れる機会がなかった猫は、抱かれたりなでられると攻撃的になる傾向があります。もともとはなでられるのが苦手な子でも、子猫期から少しずつ慣らして、なでられることが気持ち良いことであると学習すれば、やがてなでられることを楽しむようになる場合もあります。
このタイプの攻撃行動はたとえ猫がかんできたとしても、人が応戦したりしなければ激しく攻撃することはなく怪我をすることもほとんどありません。ただし、やさしくなでている最中に突然攻撃されるため、飼い主さんが叱ったり叩いたりして応戦してしまう場合が多いようです。「猫がかんだから」と叩いたり乱暴に扱うと、攻撃的な性格になったり、より強くかむようになってしまいます。
◆「もう十分!」の合図に気づこう
かまれることを予防するためには、猫のボディランゲージに注意してください。突然攻撃してくるように見えても、実はその前に「警告」を発しています。耳を平らにしたり、しっぽをパタパタさせたり、後ろ足であなたの手を払いのけようとしたりするのは「もう十分!」という合図です。かまれる前にストップしましょう。
猫のこの合図を無視してしつこくなでたり、攻撃されたことに腹を立てて叱ったりすれば、かえって猫が興奮してひどく攻撃してきたり、ますます触られることを嫌がるようになります。しつこくなでられるのを嫌がることは、飼い主さんへの愛情不足というわけではなく、猫という動物の習性だと考えてください。ベタベタするわけではないけれど、つかず離れず、気がつくとあなたの近くにいる。それが彼ら流の愛情表現です。
またそれでも通常は人間との付き合いが長くなるに連れて、撫でられることにも慣れてきます。猫の表情をよく観察し、猫が気持ち良く撫でられる場所や撫で方を工夫しましょう。我々人間とは異なる動物種である猫の習性を尊重して、より良い関係を築きましょう。
子猫であれば、今のうちから予防的に体中を触ることに慣らしておくと良いでしょう。遊び疲れてぐっすり寝ている時や、好物を与えながら体を触る練習をしておくことで比較的長い時間撫でられても気にしない猫に育てることが出来ます。過去のコラムを参考に体中を触る練習をしてみてください。
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