不幸な子猫を減らすため、ノラ猫にも不妊去勢手術をしてあげて
四季がある温帯に住む野生動物の多くは繁殖活動を1年の特定の時期に行います。出産と子育てを気候が温暖で食べ物が豊富な春に行うことで、母子の生存率を高めるためです。たとえば妊娠期間が約半年のニホンザルの交尾期は秋ですし、妊娠期間が11か月のウマでは春が交尾期というように、野生動物は出産と子育てが春になるように交尾期が設定されています。
一方、犬や猫などのペットを含め家畜化された動物では食べ物は人から与えられしますし、子育てにも人の援助があるためこの季節繁殖性は野生動物のようにはっきりしていません。しかし屋外で暮らすノラ猫では、やはり春が出産のピークになります。
猫の妊娠期間は約2か月なので、交尾期は冬となります。猫は交尾刺激によって排卵するという特徴を持つ動物で、交尾を行うと高い確率で妊娠します。飼い猫がたった一日家出をしただけで妊娠して帰って来たという例もめずらしくありません。環境的には厳しい生活をしているノラ猫でも、餌が豊富にあれば次々と繁殖活動を行います。ただし屋外では交通事故、猫同士の闘争、猫特有の伝染病など多くの危険があり、ノラ猫の寿命は非常に短く、3年から5年とも言われています。
また毎年春には多くの生後間もない子猫が行政施設に持ち込まれ、その短い生涯を終えます。平成27年度の猫の殺処分数は67,091頭、そのうち44,068頭が子猫です。これを少しでも減らすためにも不妊去勢手術が大切ということになります。
ノラ猫を不憫に思い餌を与えるやさしい行為も、実は不幸な子猫を増やす原因になります。不妊去勢手術をしていない猫にはぜひ手術を受けさせてください。
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