猫は呼んでも来ない……でも、しつけは可能!
犬を飼うと、ほぼ必ず「しつけ」をするかと思いますが、猫にしつけとはあまり聞きませんよね。
確かに、猫はお手などの芸はしません。名前を呼んでも、犬のようにワンワン喜んでこっちに来る、なんてこともありません(涙)。我が家の猫らの場合、名前を呼ぶと、耳だけこっちを向いているので「あいつ、自分のこと呼んでるなー」という意識はあるようですが、「呼ばれたら、そっちに向かう」という感覚は一切ないようです。それに懲りずに、遠くから名前を呼ぶことは多々ありますが。
そんなことから、猫は人の言うことを聞かない、言っても分からない、と思われるかもしれませんが、猫も言えば分かる生き物です。
「しつけ」をすることにより、狭い場所にも入れるように小さく作られたその頭で、ちょっぴり考えていることがうかがえる出来事が結構あります。
最も興味深いのが「寝室に入っちゃダメ」のしつけです。
猫と一緒に寝たい気持ちもありますが、アレルギーの関係で、寝室には一切猫を入れていません。
寝室は引き戸で、猫が入らないように締めきっています。ところが、しばらくすると、開け方を覚えてしまい、入ってくるようになってしまいました。
特に朝は「早く起きてきて、我々のご飯を出せ! いつまで寝てるんだ!」といった要求がエスカレートすると、鳴くだけでは飽き足らず、扉に体当たりして、挙句無理やり入ってきてしまうのです。
なので、引き戸が開かないようにペットボトルなどを駆使して、入れないように工夫しました。景観が悪いことこの上ありませんが、背に腹は変えられません。これは単なる工夫ですが、しつけで言うと、私がいる時に、寝室に入ろうとすると「ダメ!」と強く叱ります。さらに入ってしまったら、「コラ!ダメでしょ!」と追い出し、さらに強く叱ります。
それを繰り返しているうちに、「この部屋は、入っちゃダメな部屋」という認識が猫のなかにも生まれます。
今では扉が開いていても、「部屋に入ったら、怒られる」と思い出すのか、部屋に入らず、外から中を伺っています。しかし、入っちゃダメと言われると、余計に興味が生まれるのか、どうしても入りたそうにしている時もあります。
そんな時は、「入っちゃダメだからね!」と言うと、部屋への興味と、怒られたくない気持ちとの間で葛藤の末、「ぐぅ…」と小さく言って、猫なりに自制させ、入るのをやめています。
そこでほめると犬のように喜ぶ、ということはあまりないように見えますが、「怒られなかった」という記憶は植えつけられるようなので、これからも続けていこうと思います。
テンションが高いときなんかは、気にせずうっかり部屋に入ってしまい、「ダメ!」と怒られてから「あっ、忘れてた!」みたいな顔をするところが、また可愛くてたまらないのです。
人も猫くらい忘れっぽいほうが、生きやすいのかな、なんて思います。
(ヤスダユキ)
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