ゴミ袋で作るレインコートが一番なのか!? 愛犬「福」は“服”が似合わない?

おさがりの洋服を着た福。仲本工事風。きっとメガネが似合うね。ぴっちぴちだ

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット作をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元保護猫の「とも」「もえ」と暮らしています。

(末尾に写真特集があります)

手の込んだ洋服のはずだけど

 先日、ボーダー・コリーを飼っている友人(元不良)から、福用におさがりの服を何着かもらった。Tシャツタイプ、フリースタイプ、セータータイプ。犬が心地よく着られるような立体的な縫製でなかなか手が込んだ作りになっている。

 そもそも服が欲しいなと思ったのは、雨の日の散歩後に毎回バスタオルを何枚も使って福のからだを拭く作業が大変だからだった。あまりに大雨の時はゴミ袋に穴を開けてレインコート代わりに着せて歩いていたのだが、さすがに見栄えが悪い。いや、いまとなってはベストセラー本の主人公である福にゴミ袋を着せて近所を歩いているのを見られたら、虐待と言われかねない(自意識過剰?)。

雨の日はこなんふうにバスタオルで全身を拭く。福を拭くのが大変なので福に服を着せる。ふくだらけだ

 届いた服を広げてみると案外小さかった。ボーダー・コリーの女の子「ベル」は、体格はうちの福と同じくらいに思っていたのだが、体重は17kg前後とはるかに軽い。だからあんなにひょいひょいと軽業士のような軽快な動きができるのだろう。それにくらべると農耕馬体型あるいは左門豊作タイプ(ふるすぎる例え)の福はずいぶんとスタイルが悪いから、果たして着れるのかな?と思っていたのだが、ぐいーーーっと生地を引っ張れば、なんとか着れないことはなかった。

 着れないことはなかった。

 着れないことはなかった。(いや、わかったって)

 そう、着れないことはなかったのだが、どうにもその姿がちょっと変だ。

 Tシャツタイプの服は体操選手のようなマッチョ感を増幅。ドリフターズの仲本工事が体操服を着ているようなビジュアルだ。緑色のセータータイプは本来なら少しおしゃれなモードっぽさを醸(かも)し出すはずなのに、なんだか田舎の町角にあるタバコ屋で店番するおばあちゃんのようなタイムスリップ感。かろうじて、フリースタイプの服がちょっといい感じに見えないこともなかったが、これも相対的な見え方による錯覚であり、個人の感想であろう。

フリースタイプ。フリースなのに江戸時代の飛脚のように見えるのはなぜだろう

 うーむ、福は服が似合わない……。

 そう結論づけざるを得ない結果となった。まあ、でもね、日頃から服を着せたいわけでもないし、そもそも毛がふさふさダブルコートの福は寒さにも強いし本来必要ないからね(負け惜しみか?)。結局、せっかくいただいた服を着る機会はなかなかなさそうなので、やっぱり体型にあったレインコートだけ買いに行かなきゃねえ。

 なんて思いながら、「犬 レインコート ゴミ袋 手作り」でググるとーさんなのであった。

(次回は12月16日公開予定です)

【前の回】「愛にあふれた保護犬たちが家族を探しています」 とーさん、初の著書を出版!

小林 孝延
編集者・文筆家。出版社在籍中は『天然生活』『ESSE』の元編集長、『ハニオ日記』石田ゆり子著ほか、ライフスタイル系の雑誌・書籍を多数手がける。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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