飼い主が出かけるとさみしいと感じてる? 留守番中のネコの行動を調査
コロナ禍で在宅ワークになり、日中ネコと過ごす時間が増えた飼い主さんが多いのではないでしょうか。とはいえ家を空ける時、ネコがひとりっきりだと心配になることもあります。そこで今回は、飼い主さんが家を空ける時間の長さによって、ネコがどのような行動をみせるか調査した論文 " Cats and owners interact more with each other after a longer duration of separation" を紹介します。
離れている時間でネコの行動は変化する!?
ネコはもともと単独性の動物で、祖先種であるリビアヤマネコも大人になると単独行動をします。ところが最近、分離不安とよばれる症状をもつネコが増えてきているという話があります。分離不安はイヌにおおくみられ、飼い主さんと離れると鳴いたり、過度なグルーミングや粗相をしてしまいます。
そもそもネコは1日16~18時間は休んでいるので、飼い主が不在の間、多くは寝ていると考えられてきました。しかし、留守の間にどのような行動をとっているのか。また留守の時間がどれくらいネコの行動に影響するのかはわかっていませんでした。
そこでスウェーデン農業大学の研究チームは、飼い主さんに協力してもらい、ネコと離れている時間がどのように影響するのかを調査しました。
調査は、一戸建てに住んでいる14匹のネコに協力してもらいました。飼い主さんが30分間不在にする場合と4時間不在にする場合の2パターンを比較します。飼い主さん宅に3台のカメラを玄関とネコがいつもいる部屋に設置し、外出前(5分間)、外出中(30分または4時間)、帰宅後(5分間)のネコと飼い主さんの様子を撮影し、分析しました。
長時間不在にすると社会的行動が増える
結果は、外出前は30分と4時間の違いはありませんでした。また、外出中もほとんどが休んだままで、違いはみられず。ただ、帰宅後に違いがありました。4時間外出してから戻った時の方が、30分間の外出よりも、より多く喉(のど)をならしたり、ストレッチをしました。つまり、ネコはより長い時間離れ離れになった後、社会的な行動を多くすることがわかったのです。
これがいわゆる「飼い主さんがいなくてさみしかった」ということとは言い切れません。なぜなら、外出中のネコの行動に違いはなかったのです。やはり単独性の動物だったからでしょうか。
ちなみに飼い主さん側も、より長く離れていたほうがネコによく話しかけたようです。つまり、ネコも飼い主さんも、長い時間離れているとお互いにコミュニケーションをよくとろうとするようです。イヌの飼い主さんにはこの傾向がみられないことから、ネコの飼い主さんの特徴と考えられます。
今回は長くても4時間の不在でしたが、仕事などではもっと長い時間家をあけることもあるでしょう。今後はより長い時間離れた時の調査をする必要があると研究チームは話しています。
今回ご紹介した論文
Behavioral associations with breed, coat type, and eye color in single-breed cats
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