我が家の長男猫「梵天丸」 ガリガリに痩せた野良猫が気づけば14歳の甘えん坊に

あんなに甘えん坊だった梵天丸が、今は優しいお兄さん。現在末っ子のアルはそんな兄者が大好きです。

 我が家の長男猫、梵天丸。拾ったときは生後1~2カ月で、ガリガリに痩せた野良猫だった彼も、気づけばもう14歳!立派なシニア猫です。が、ここ最近、甘えん坊気質にますます拍車がかかったようなのです。

(末尾に写真特集があります)

先輩に甘えて育った梵

 梵天丸と出会ったときのエピソードは、この連載の第1回 でもご紹介しました。

 その当時我が家にいたのは、アメリカンショートヘアのクリス・ココきょうだい、アビシニアンのディーナ。そして、ココと間違えたことで我が家に来たユーリさん 。いきなりの子猫の乱入に、先輩猫たちの反応はさまざまでした。

 意外だったのは女の子たちのクールな対応。さぞや母性本能を発揮するだろうと思っていたのに、どの子も「我関せず」。いじめたりしない代わりに、可愛がりもしない。

「あ、あれ? ねえ、子猫だよ! ほら、可愛いよ!」

 とけしかけても、困惑顔を通り越して迷惑顔です。新入り梵天丸もよちよちと近づくものの、おばさんたちの気迫に押され気味。

 そんな梵に誰より優しくしてくれたのが、当時の長男、クリスでした。

「みー!(遊んで…!)」

 と寄ってくる梵を叱りもしません。昼寝の邪魔をされようが、おやつを横取りされようが、優しく見守ります。

 夜は寄り添って眠り、そばに寄ればいつだって毛づくろいしてあげる。まるで親代わりでした。(そうか。このうちでお世話になることになったんか。大丈夫やで。兄ちゃんがついとるからな!)←我が家ではなぜだか、クリスは「関西弁キャラ」でした。

 クリスがお気に入りキノコ型猫つぐら(?)でくつろいでいると、梵が上からどっかり!なんてことも。

(大きいって! 重いがな!)

 怒り顔のクリスですが、それでも叱ることはしません。

 あっという間に大きくなって、クリスの体格を抜くほど大柄になっても、まるで子猫のように兄・クリスに甘えていたのが印象的でした。

ここ最近、甘えん坊ぶりに拍車がかかった梵天丸。私の顔におでこをつけて、小さな声でグルグルとなにやら言い続けています。途中でおろすと怒りだして大変!

黒い毛玉を吐く梵天丸

 そんなクリスも16歳で他界。順番に先輩猫たちを見送り、後からボビ・サビ姉妹、サビの息子エンマ、そしてアル・ベルきょうだいと後輩たちが入ってきて、梵天丸もいつしか長男猫になりました。

 後輩たちも個性派ぞろいです。

 ボビとサビの姉妹は先輩に甘えることはまずしません。サビの息子エンマには母猫がいますから、他人(?)の梵に甘える必要もありません。

 アル・ベルのきょうだいも、きょうだいで遊ぶのに夢中で、あまり梵に頼ることもありませんでした。が。

 子猫の時期を過ぎ、アル・ベルが3歳になったころ(今はもう9歳です!)その様子が変わってきました。

 きょうだいのじゃれあいや追いかけっこが減った分、ベルはサビになつくように。そしてアルは梵に甘えるようになったんです。

(兄者~!)

 子猫の頃の梵がそうだったように、頼れる兄貴を追い回し、昼寝を邪魔し、おやつを横取りし、とにかく一緒に寝たがります。そんな弟猫に戸惑いながら、梵も精いっぱい、いいお兄さんでいるようです。

 春先のある日、梵がゲッと毛玉を吐きました。ブラッシングが不足してたんだね、ごめんごめん、とティッシュで吐いた毛玉を取り上げたら、なにやら真っ黒。

「きゃーっ! まさか、胃から出血!?」

 思わずパニックです。が。落ち着いてみればそんなわけはない。胃からの出血ならもっと赤いはず。毛玉を指先でほぐしてよくよく観察すると……

「キジトラの毛……アルだ!」

 自分の毛より弟の毛で嘔吐する兄猫。梵、なんていい子なの!

エンマも気まぐれに梵天丸に甘えに来ます。そんな弟分を、いつだって受け入れるのが梵の優しいところです。

シニアになるにつれ甘えん坊に拍車が

 そんな梵も早14歳。立派なお年寄りです。後輩たちから慕われる兄貴ですが、彼が甘える先は私たち人間しかいません。元から甘えん坊の梵ですが、この1年ほど、それがどんどん加速している感があります。

 お風呂に入っていると、入れろ入れろと騒ぎます(ふたの上でまったりするのです)。他の猫を抱っこすると怒ります。かまってほしい、抱っこしてほしい、となると待ったなし!(何をしていても飛びついてきます)。仕事が忙しくて部屋から追い出すと、ドアの外でキレちらかして怒ります。

私「ねえ梵、どうしちゃったの?」

梵「なー」

夫「そうか分かった! お父さんが抱っこしてやる!」

梵「………」

 梵を抱き上げ、うっとうしいほどかまおうとする夫。おなかを抱えて笑う私。梵は恨みがましい目でこちらをちらりと見て、夫の頭(スキンヘッド)を舌でザリザリ。それはまるで弟をなだめる時のようです。

(おとうたん、はいはいわかりまちたから。お手入れしてあげるから、ね?)
(おかあたん、笑ってないで! この人なんとかしてくださいよ!)

 今日も平和に夜が更けてゆきます。

【前の記事】「謎の猫ルール」 飼い主の知らないところで取り決めがされていた?

浅野裕見子
フリーライター・編集者。大手情報出版社から専門雑誌副編集長などを経て、フリーランスに。インタビュー記事やノンフィクションを得意とする。子供のころからの大の猫好き。現在は保護猫ばかり6匹とヒト科の夫と暮らしている。AERAや週刊朝日、NyAERAなどに執筆中。

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