友人の家に迎えられた子猫「ミニミニ」 すまし顔で末っ子らしくなっていた

 タロとミニミニが来てふた月が過ぎた頃、ミニミニを引き取りたいと友人が申し出てくれた。

(末尾に写真特集があります)

安心して託す気持ちに

 友人は幼い頃からたくさんの動物に囲まれて育った。

 ご家族は長らく出版の世界にいて、撮影で借りてきた動物を返すのは可哀想だと引き取っては家へ連れ帰ったらしい。10匹のレトリーバーの子犬と暮らしたこともあったそうだ。

眠る2匹の子猫
どこでもポトっと寝ている

 安心して託す気持ちになったが、友人の家にはすでに犬と猫が1匹ずつ住んでいる。ミニミニは新しい仲間たちとうまくやっていけるだろうか。

時間をかけて仲良く

 動物と暮らしてきた友人は、猫の気持ちをよく理解していた。

 いきなり対面させるとお互いに警戒し、仲良くなるのに時間がかかるらしい。新入りの匂いがついたものを先住の犬と猫に嗅がせて、あらかじめ存在を知ってもらう。

あくびする子猫
鼻黒さん

 家に連れて来てもしばらくは別の部屋に離して過ごし、数日経ってから対面させると言う。

 ミニミニがベッドにしていた段ボールの箱とタオルを前もって渡しておいた。慎重に進めてくれることがありがたかった。

抱っこされる子猫
はじめまして、チビチビさん

 友人宅へ向かう日。車の中でもミニミニはいつものように私の手をざりざりと舐めて毛繕いをしてくれる。

 新しい家に着いたミニミニは、初めての場所に驚いてソファの下に潜ってしまった。そのうち出てくるからそっとしておこう、と動じない友人はやはり動物の扱いに慣れている。

テーブルの上の猫
おねーちゃんず1。ごぎん(小銀)11歳。国立生まれ

もう大丈夫だろう

 すぐに、ミニミニがくつろいでいる様子の写真が届いた。先輩たちに毛繕いをしてもらっていると聞いて、もう大丈夫だろうと安心した。

座る犬
おねーちゃんず2。アンチョビ11歳。長野生まれ

 ブランケットを噛んで舐めてはビショビショにするから、「ブランケットビショビショちゃん」、略して「ビーちゃん」。「あたち」、背中の縞模様から「ウリボー」など、いろんな名前で呼ばれているらしい。 

すっかり末っ子らしく

 ほどなくして、友人は自然の豊かなところへ越した。新居を訪ねると、間近にある山の間からは海が見える。

犬と猫と家族
大家族

 久しぶりに会ったミニミニはすました顔で他人行儀に挨拶をした。みんなにかわいがられてすっかり末っ子らしく振る舞っていた。

(次回は12月2日に公開予定です)

【前の回】取っ組み合いのあと抱き合って眠る兄妹猫 2匹一緒にもらってくれる人を探す

安彦幸枝
写真家。泊昭雄氏に師事。著書に、庭に来る白猫アフとサブが主人公の物語「庭猫」(パイインターナショナル)、「荒汐部屋のすもうねこ」(平凡社)「どこへ行っても犬と猫」(KADOKAWA)「安彦家の窓辺の猫 カレンダー2020」ほか。猫以外には旅と食を得意とし、機内誌や旅雑誌、ガイドブックや書籍などの媒体を中心に活躍中。

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この連載について
家猫庭猫
 写真家の安彦幸枝さんが、一緒にすごした合わせて5匹の家猫と庭猫の物語をつづります。
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