真っすぐに意思を伝える猫「くま」 朝はごはん、と言いながら顔をかんで起こした

 くまが他の猫を受け入れるとは想像もできなかった。

(末尾に写真特集があります)

ここは私の場所

 友人たちと暮らす家にくまが居着いたとき、すでに福ちゃんという三毛猫が住んでいた。あとから来たくまは「ここは私の場所」と言い張り、気の優しい福ちゃんを追い出してしまった。

2匹の猫
錦鯉のような三毛猫福ちゃん

 こまった福ちゃんは隣のおじさんの家へ出入りするようになった。福ちゃんを溺愛するあまり、甘党のおじさんはかりんとうや大福をあげていると言う。

 かわいがってくれるのはありがたいが、 猫に甘いものはいけない。おじさんには申し訳ないけれど福ちゃんを取り戻しに行き、悩んだ末に実家へ送りこんだ。

眠る2匹の猫
おばーちゃんだいすき

 両親は長年一緒に暮らした茶トラの猫を看取ったばかりで、福ちゃんを快く迎え入れてくれた。今年で18歳になり、 いまも穏やかに暮らしている。  

「久しぶり」と出迎える

 くまは真っすぐに意思を伝える。 庭に出て陽の光を浴びたい。カリカリじゃなくて缶詰が食べたい。して欲しいことがあると大きな声で呼びかけて、その方角をちらっと見てから視線を合わせる。

朝は「ごはん」と言いながら顔をかんで起こした。

窓際の3匹の猫
くま婆を挟む①

 以前の同居人が遊びにくるのを喜んだ。会わない時間が長くても全員を覚えていて、「久しぶり」と目の前に座って出迎えた。

 みんなで食卓を囲むと当然のように参加する。ひざの上で眠ったふりをして、目を離したすきに、いつのまにか肉の端っこを食べている。

抱っこされる猫
くまはみんなの猫

 夫婦で家を空けるときは友人たちが世話をしに来てくれた。くまは移動を嫌うため、ホテルに預けたことはなかった。

 誰が泊まっても必ず枕元で一緒に眠り、朝は顔をかんで起こした。

せっせ。甘えん坊やタロ

◆この連載「家猫庭猫」が、来年1月に書籍化されます。詳しくはこちらからどうぞ。

(次回は12月30日に公開予定です)

【前の回】孤高のばあやに優しい孫ができた 老猫1匹と子どもの猫2匹の安定した生活

安彦幸枝
写真家。泊昭雄氏に師事。著書に、庭に来る白猫アフとサブが主人公の物語「庭猫」(パイインターナショナル)、「荒汐部屋のすもうねこ」(平凡社)「どこへ行っても犬と猫」(KADOKAWA)「安彦家の窓辺の猫 カレンダー2020」ほか。猫以外には旅と食を得意とし、機内誌や旅雑誌、ガイドブックや書籍などの媒体を中心に活躍中。

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この特集について
家猫庭猫
 写真家の安彦幸枝さんが、一緒にすごした合わせて5匹の家猫と庭猫の物語をつづります。
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