性格も好みも違う、猫7匹との暮らしがスタート 孤高の美女猫ユーリさんに気をつかう

猫
みんなから離れたところで、ひとりゴロンゴロンと遊んでいるユーリさん。時おり、こんな無垢な顔を見せてくれました

 8年ほど前のこと。ただでさえ多頭飼育だった我が家に猫のアルとベルがやってきて、とうとう前人未到の7匹体制がスタートしました。

(末尾に写真特集があります)

十匹十色の自由過ぎる猫たち

 猫たちが並んで食事していたり、寝るときに布団の上に勢ぞろいしているのを見ると「7匹って、多いなあ……」と実感したものです。

 猫好きだという自覚はありますが、同時にこれほどの数を飼うのは初めてのことでした。

 しかしその内訳をみると、梵天丸=ひとりっ子、ユーリ=ひとりっ子、ボビ・サビ・エンマ=姉妹とおいっ子、アル・ベル=きょうだい。

 つまり、2家族とひとりっ子が2匹。なかなかに複雑です。そしてこの構成の違いは、人とのかかわり方にも影響しているようです。

 まず、家族のいる猫たちは、おおむね、人より猫が優先です。遊ぶときも甘える相手も、人よりも猫。

 必ずしも血縁関係でくっついているばかりでもなく、オスばかり・メスばかりが集まっていたりもします。

 その一方、ひとりっ子は人間が大好き。梵天丸は年下猫が甘えに来ると優しく受け入れて毛づくろいなどしてあげますが、自分が甘えたい時、頼る先は人間しかいません。

「なぁぁぅ……」

 寂しそうな声を上げてすり寄ってくるときは、抱っこしてほしいとき。

 注目してほしいときは、遠慮がちに前脚を伸ばして、人のひざや足元をちょいちょい、とつつきます。そんな時、うっかり他の猫をなでたり抱き上げたりしようもんなら、当分いじけてこっちを見てもくれなくなります。

くっつく猫
「栄町生まれ」ご一族さま。左の白三毛がボビ、ハチワレキジトラがエンマ、その奥がエンマの母、サビです

孤高の個性派美猫・ユーリさん

 同じひとりっ子でも、ユニークだったのがユーリさんです。

 冬の寒い時期に誰かと寄り添って丸くなっていたりはしますが、人にも猫にも、積極的に甘えているのを見たことがありません。それでも私のことは「お母さん」と認定しているらしく、抱き上げると気持ちよさそうにのどを鳴らし、いつまででも腕をフミフミ。そのまま寝てしまうことも。

 かわいそうなのは夫で、そもそもユーリを見つけたのも彼なのに、いつも冷たくあしらわれています。

「ユーリ、おいで」

 呼んでも聞こえないフリ。

 つかまえて抱き上げると(何するのよ?)と言わんばかりに真顔で見返します。酔っぱらってチューしようとすれば、顔に両手両足を突っ張って「断固拒否」。

「何なんだよー。俺が何したっていうんだよ」

「諦めなよ。ユーリは推定14歳でしょ? 思春期の娘なんてそんなもんよ」(猫の14歳は人間に換算したら70代後半ですが)

 お父さんが気に入らないユーリは、チロリと夫を見やってから私に訴えてきます。

「うぁぅぅ……」(お母さん、お父さんに何とか言ってよ!)

 この違いはいったいなんなんでしょう。

好みもクセも千差万別

 当然のように、7匹の性格も好みもバラバラです。

 例えば、以前我が家の長老猫だったアーサーは蛇口から水を飲むのが大好きでした。ボウルにきれいな水が入れてあっても、シンクへ来ては「出して!」と請求したものです。

 が、今のメンバーの中に、蛇口から飲みたがる子はいません。その代わり、ぬるま湯が好きな子はいました。ユーリさんです。

 お風呂から上がると、脱衣所にきちんと両手をそろえて座って待っています。ゆうゆうとしっぽを揺らしながら優雅な足取りで浴室へ。ふと入り口で立ち止まって、室内を見渡し、うらめしそうにこちらを振り返ります。床がびしょびしょで入れない、と言いたいのです。

「そんな顔したってしょうがないでしょ。お風呂なんだもの、ぬれるわさ」

 こちらも言い返しますが、なんだか責められているのはこっちのようです。

 ユーリはため息をつくと、脚をぬらさないようにしながら(たいていうまくいきませんが)、お風呂のぬれた床をぴちゃぴちゃ……。

 そんな彼女のために、洗面器に少しお湯を入れておいてあげると、喜んで飲み始めます。飲み終わると、足拭きマットの上でぶるっと身震いをひとつ。そしてまた、こっちを見上げます。

 (どうしてあなたたち人間が使うと、床も壁もこんなにびしょびしょになるの? もっと上手に使えないのかしら?)

 うっかりぬれた手で触ると余計不機嫌になるユーリさん。ドライヤーの音も大嫌いです。

 彼女が顔を洗ってぬれた脚をなめて、脱衣所を出るまで、人間はぬれた髪をタオルで包んだまま待つはめに。夜ごと湯冷めしたものです。

寄り添って寝る猫
他の猫が寄り添ってきても、怒ったりはしません。が、喜びもしないのがユーリさんです

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浅野裕見子
フリーライター・編集者。大手情報出版社から専門雑誌副編集長などを経て、フリーランスに。インタビュー記事やノンフィクションを得意とする。子供のころからの大の猫好き。現在は保護猫ばかり6匹とヒト科の夫と暮らしている。AERAや週刊朝日、NyAERAなどに執筆中。

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