あぜ道で、助けを求めて寄って来た子猫 温かな家に迎えられる

くつろぐ黒猫
まったりくつろぐひととき

 あぜ道に捨てられ、助けを求めるように寄って来た黒い子猫。とても人懐っこい猫に育ち、温かな家に譲渡された。そこで優しいお兄さん猫と出会った。

(末尾に写真特集があります)

 畑のあぜ道、犬の散歩をしていると、草むらに小さな段ボール箱があった。中には4匹の子猫。最初、子猫たちは黙っていたが、中の1匹は人に気が付くと、大きな声でニャアニャア鳴きながら近寄ってきた。目ヤニがひどく、あまり見えていないにも関わらず、必死で歩いてきたようだ。2018年5月のことだった。

 子猫は、獣医師らが運営する保護団体「エイベット」のサイトで、譲渡先が募集された。

2匹目の猫を探して出会う

 当時、大阪府内に住む片岡さんは、グリくんという猫を飼っていて、2匹目を飼おうと思っていた。

「2匹いたら人も猫も楽しいだろうって。ちょうど引っ越しすることが決まっていたので、落ち着いた頃合いを見て、2匹目を迎えることにしました」

 片岡さんは、先住猫を迎えるきっかけになったエイベットのサイトを見ることが日課になっていた。そこで黒猫を見つけた。マリモみたいに黒く丸い子猫に一目ぼれして、すぐに問い合わせた。

体重測定中の子猫
子猫時代、体重測定

 2018年6月、片岡さんは黒猫に会いに行った。保護主は、エイベットのサイトを運営する天美動物診療所に、黒猫を連れて来てくれた。生後1カ月半から2カ月くらいだった。

「2階の休憩室のような場所で会ったんですが、机の裏とかいろんな所に入って、なかなか姿を見せてくれませんでした。でも、思った通り可愛い猫でした」

天美動物診療所では、保護猫の“誕生日”を院長が決めてくれる。ノワちゃんの誕生日は、2018年4月24日となった。

食いしん坊な子猫

 片岡さん宅では、先住猫のグリくんと、黒猫ノワちゃんを慎重に対面させた。最初のうちノワちゃんは寝室に置いたケージの中に入れた。寝室のすりガラス越しに見えるノワちゃんをグリくんはシャーッといって威嚇した。だが、4日目には仲良くなったという。

 先住のグリくんは優しい性格。自分のごはんをノワちゃんに取られても「はい、どうぞ」というふうに譲ってあげた。ノワちゃんのグルーミングをしてあげることもあった。

テーブル上の黒猫
ピンクのタイをつけたおしゃれさん

 ノワちゃんは譲渡してもらう時に「この子、すごく食いしん坊なので、気を付けてください」とは言われていたが、食べ物にまつわる事件が多かった。

「トーストを食べようと思ったら、急に食いついてきて、トーストが飛んでいったり、魚が入っているエコバッグにかみついたりしました」

 残念ながらグリくんはFIPを発症し、1歳10カ月で亡くなった。グリくんの闘病中、ノワちゃんは心配そうにずっと見守っていたという。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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