母に置いていかれた小さな子猫 たくさん食べて一番大きく成長

小さな子猫
保護された時、小さく弱々しかった

 病院脇で小さな子猫が1匹、大声をあげて鳴いていた。どうやら母猫に置き去りにされたようだった。このままでは死んでしまうと、愛猫家が譲渡することを前提に保護した。だが、家で世話を始めると、夫がメロメロに。やがて小さかった子猫は、家で一番大きな猫になった。

(末尾に写真特集があります)

母猫に置き去りにされた子猫

 2014年11月、兵庫県内にある病院。朝、エアコン室外機のそばから猫の大きな鳴き声がしていた。兵庫県に住む山崎さんは隣の調剤薬局で働いていて、鳴き声に気付いた。

 山崎さんは4匹の猫を飼う愛猫家。気になって見に行くと、1匹の小さな子猫がいた。入院患者が窓を開けて「野良猫のお母さんが2匹くらい子猫をくわえて引っ越しをしていたよ」と教えてくれた。

室内にいる三毛猫
いつしか体重6㎏を超える大きな猫に

「この子のことも迎えにくるかな」。そう思って、そのままにしておいた。しかし、3時間たって、昼になっても、母猫は迎えに来ない。子猫はどうやら置き去りにされたようだった。子猫はとても小さかった。

放ってはおけない

 山崎さんは職場の仲間と「このまま置いておいたら死ぬよね」と話しながら、「保護するしかない」と思った。ただ家にはすでに4匹の猫がいる。自身の年齢や体力を考えると、これ以上は飼えない。けれど、放ってはおけない。譲渡先を探すつもりで保護した。

 その日のうちに家に連れ帰り、動物病院に行くと、生後約3週間だが、体重は150グラムしかなかった。猫風邪をひいていて、両目に目やにがたまって固まっていた。ノミがついていたが、回虫はいなかった。

窓際にいる2匹の猫
ちびちゃんと出窓でくつろぐ

 山崎さんはミルクと離乳食を与えて育てた。保温するため、人間用の小さな湯たんぽにお湯を入れ、タオルで巻いて、子猫のケージに入れた。

 キャリーケースに入れて職場に連れて行き、3~4時間おきにミルクを与えた。小さいながらも、食べたり飲めたりできるからきっと大きくなると楽観的に見守ったという。

メロメロになった夫が命名

 あまりに小さくて、可愛くて、夫がメロメロになったので、そのまま家で飼うことにしたという。譲渡するつもりだったので、名前を決めていなかったが、1週間もすると、夫が勝手に「ももちゃん」と名前をつけていた。

男性に抱っこされる猫
すっかりお父さんっ子に

 ももちゃんは病気をすることもなく、すくすくと育った。いっぱい食べる子で、他の子のごはんも食べてしまう。「それでも足りない」と夫の顔をペロペロなめる。そのせいか、いまでは家の猫のうちで一番大きくなり、体重は6キロに達した。

 先住猫の女王様気質のはなちゃんは、最初のうちは「シャーッ」と威嚇していたが、ももちゃんの方が身体が大きくなると、なるべく近寄らないようにしているようだ。ほかの猫、ちびくんとはお腹を見せて遊ぶし、1歳違いのシュシュちゃんとは一緒に走り回って仲良く遊んでいるという。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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